サムライ・ジャパンの選択

かもめ(習作)

日本-ポーランド戦、1-2の日本の負けだが、勝ってもポーランドは一次リーグ敗退決定済み、破れた日本は負け方次第で決勝トーナメント進出という、特に後半はそうした戦略が前面に出た試合となった。このような展開はあらかじめ想定されてはいたが、それでも最後の10分間に関しては、サッカーファンの心理を2分したに違いない。

スポーツマンシップを第一とする世界中のマスコミからは「もうサムライとは呼べない」「最も見たくない試合」などと酷評。一方、結果を重視するファンからは「これも戦略だから当然」「他のチームも主力を休ませている」などの擁護論。どちらか一方だけが正しいと簡単には言えないが、チームは監督のものだという感を深くした。

もしこれで、次のベルギー戦で素晴らしい勝利を収めたならば、西野監督の決断は「最良」のものとなり、この試合の胸くそ悪さはファンの心から消え去るだろう。要するに「結果論」、と女子Wcupで優勝したなでしこメンバーの一人は語っている。

なでしこも準々決勝で似たような試合をし、それが優勝につながり、あの日本中のフィーバーになった。けれど「結果が全て」ということは、「フェアプレー精神」は不要だということになりかねない。勝ちさえすればいい、というのはサムライ精神に反する、と思う。けれど一方で、無意味な「玉砕戦法」もまた、見たくはない。