サッカー、アメリカ女子チームのワールドカップ優勝

サッカー女子ワールドカップでアメリカチームが優勝した。ほぼ事前の予想通りだったらしい。

優勝という結果も素晴らしいが、私がさらに感動したのは、トランプ大統領からの「ホワイトハウス招待」を断るという「自分の意思を貫く強さ」である。大統領のこれまでの差別的発言などに対する意思表示だという。まさに女子チームが示したこの意思こそ、アメリカの優勝に本物の華を添えるものだと、私は思ったのだ。

仮に日本チームが優勝したとすると、総理大臣からの首相官邸への招待を断れるだろうか。おそらく選手たちの個人的意思より、協会や協賛してくれる企業、団体、個人への配慮、マスコミからのバッシングに対する怖れが優先され、選手個人の言論は引っ込められるだろうと私は想像する。私がチームの一員なら、たぶん私もそれに倣ってしまうだろうと思う。

官僚も、学者も、マスコミも社会も、みな権力に迎合、忖度に余念のない日本。勝っても負けても、感謝の言葉をなかば強制的に言わされる日本で、スポーツ選手が権力に(政治的な)意思表示できる空間はほとんどない。アメリカ女子チームの今回の表現は、人間として当たり前のことがスポーツの世界でも当たり前だという、ごく自然なことがアメリカにはあって、日本にはまだないという世界観と、試合結果との二重の意味で輝かしい優勝だと思った。