私たちを消去できない

腕を組む男(習作)

怖い夢を見た。亀の子タワシのお化けみたいなやつが、円形のテーブルの上を這いまわりながら喋っている。「お前たちは私を消去することはできない」。スマホでワンクリック、消去することはできた。

何が怖い夢かというと、彼らが勝手に私たちのスマホの中に入り込むばかりか、そこから自由に現実の中に飛び出して来れることだ。スマホの中で増殖し、そこから続々と現実の中で暴れまわる。そして、実際に彼らの言うとおり、やがて消去できなくなる。

そのうえ、もっと怖いのは彼らがスマホやパソコンを熟知しているらしいこと。そこから生まれたのだから当然といえば当然。手足の数もムカデの比ではない。あの手にそれぞれスマホを持たれたら、悪魔の千手観音ではないか。さらに、生まれてくるのが亀の子タワシとは限らないとしたら。

やるべきことをやる

スピードスケート女子500mの小平奈緒選手

「やるべきことをやる」、ピョンチャン・オリンピックで、メダリストはもちろん、どの国のどの選手からも例外なく聞かれる言葉だ。

言葉の意味は簡単明瞭だが、これほど実行の難しいことも滅多にないだろう。まず、「何が」やるべきことなのか、それを知ることさえ並大抵のことではない。それがわかった選手だけが、ある意味一流の条件を満たす。さらに難しいのは、それを「弛まず」やるべきレベルまで続けること。しかも自分一人で出来ることではないのが、さらに難度が高い。そうしたレベルでの勝者と敗者。敗者といえどすでに敗者ではない。

考えてみると、スポーツに限らず、人生の全ての場面において、同じようなことが言えるのではないか。しかし、「やるべきことをやれない」のも、また人間だ。やった人はすごい。その一方通行だけで良い。

蟻のままで

 

小さな世界ではあるけれど

♪蟻のままで、蟻のままに〜♪ もちろん「ありのまま=在りのまま」 で、ヒットした「アナと雪の女王」のテーマ曲。でも、聞いていると、ディズニーなら「蟻の姿のまま」でもいいような気がしてくるから不思議。

蟻と蜂はよく似ている。蟻はアシナガ蜂やすずめ蜂から分岐したもので、これらとは蜜蜂、マルハナバチなどよりも近いのだそうだ(ちなみにシロアリはゴキブリの仲間)。

蟻の女王なら、栄光か死あるのみ。挫折から這い上がるなんてことはないようだ。日本なら10〜20年が女王の寿命だが、世界では50〜100年になる種もあるらしい。「蟻のままに」で、正解なのかも知れない。