「剣道五段」を描く

「女流剣士 」     watercolor

モデルをしてくれたN坂さん、ごめんなさい。途中まで保っていた(と私が思う「次の一歩」)が、なくなってしまいました。これでは、眠そうに竹刀を持っているだけ、「棒立ち」ですね。

デッサンの初めでは「一瞬前」の幾らかは、少しは捉えていた、と思う。けれど、最終的にこれではどうしようもない。でも、イメージには焼きついているので、ホットなうちならもう少し何とかなるかもしれません。

同じ動作を繰り返すというお願いをしての、実際に動きのあるスケッチ。メンバーには良い経験になったと思う。

桜満開、花吹雪

アトリエで花見

満開の桜は外だけではない。見よ、この華麗さを。まさに今が盛り。少し床に散っているが、動かすたびに枝が擦れあって無理やり落としてしまったものがほとんど。花はまだしっかり枝について、絢爛豪華。

どこかで、こっそり枝を折ってきたのではないかとのご心配無用。教室のSさん宅の桜の太い枝が折れ、一部が繋がったまま満開を迎えたのが勿体ないと、そこからさらに2本折り取り、持参してくれたもの。お陰様で毎日が花見(絵を描くのには少し邪魔だが)。

昨日は東武動物公園がチャリティーだけで入園できるというので、妻など動物を見に行った。私も迎えに行きながら、30分ほどホワイトタイガーなど見た。運動不足解消で一石二鳥。それにしても暑かった。

動物公園内も、そこへの道沿いも、どこもかしこも満開の桜で溢れている。けれど誰も、飽きたとも、もうウンザリとも言わないのが、桜の桜たるゆえんか。当たり障りのない、日本人的な存在感の薄さと、もうすぐ花吹雪となり、(少なくとも一年間は記憶からも)消えていく儚さが、自分たちに重なって共感するからかもしれない。

芸は身を助く : 馬が描く絵

「Doll」 watercolor

「馬が絵を描き、それで自分の身ばかりか、他の馬も助けている」という記事を読んだ。数年前にアメリカで話題になったニュースらしいが、それをイギリスの記者があらためて書いたものだった。

馬の名前は「メトロ」。もとは競走馬で、その地方では8勝もした、かなり知れた馬だったらしいが、膝に故障を抱え運命が尽きかかっていた。そこへたまたま奥さんの乗馬用にと、安い馬を探していた画家と巡りあった。

メトロの、口であれこれ咥える癖を見て、こいつに筆を持たせたら面白いかも、という発想が画家的だ。メトロもなぜか、「草を食うより絵を描く方が好き」らしく、やがてたまってきた絵を画家が地元のセールに出した。すると、あっという間に4点も売れた。ちなみに、ショーで像が花の絵を描いてみせるようなものとは、レベルが違う。なにせアシスタントはプロの画家である。

地元バーモントで話題になり、それを大新聞が取り上げたことで、一気に全米の話題になった。注文が相次ぎ、その収入で新しい治療法を試すこともでき、膝の故障も克服。さらに、同じような運命を辿る他の馬も助けられるようになったという、馬版アメリカンドリーム。今も沢山の人が彼・メトロ氏の作品の待機リストに並んでいるそうな。

ちなみに、当の画家はメトロ氏のアシスタントとセールに忙しく、画家は休業中だとのこと(記事は2014時点でのこと)。