私たちが選んだ国

クレマチスと水差し

いま日本は年間30万人ずつ人口が減っているそうだ。週に6000人。人口6万人の小都市なら10週間、3ヶ月足らずで消えることになる。しかも減少の速度は増しつつある。これはもう戦争レベルの非常事態ではないか。

ニュースを聴くと(当然?)人手不足、らしい。なのに、働く人の時給は上がらず、正社員になる道は広がらず、老後の不安はどんどん増していく。外国人を「移民」ではなく、「実習生」として受け入れようとしている。選挙権など、国の方向を決めるような権利は与えず、生活保護など負担になりそうな時はサッサと追い出せるようにしておこうという、姑息で、人権軽視の姿勢が見え見えだ。それが私たちが選んだ政治家たちの考えだ。

税金の使途は自分たちファミリーの都合いいように改ざんされ、追求には記憶喪失と黒塗りで応え、税金を使っているくせに自分の手柄のように威張る。圧力が北朝鮮でなく国民に向き、年寄になったら金がかかるから早く死ねと顔に書いてあるというのに、政権の支持率は下がらない。これはもう宗教だと言うしかない。私たちはどうやら筋金入りの馬鹿であるらしい。

馬鹿なら馬鹿らしく、馬鹿なことをやって楽しんで死ぬのも良さそうなものだが、人と違うことをとことん怖れる臆病者でもある。美しい国、おもてなしの国とは、実はのっぺりと脳みそのシワもない、裏アリ表ナシの国なのだった。