こっちの方が現代的かも

ブリューゲル「バベルの塔(部分)」

ブリューゲルの「バベルの塔」が東京都美術館に来ているが、まだ見ていない。ボスやブリューゲルは、ファン・アイク以後の、いわゆる「完成された油絵技法」からみると、一見稚拙な技法にもみえる。

この、白黒の線描に透明な色層を単純に重ねていくだけというシステムは、誰もが子どもの頃に経験した描き方に近い。「稚拙な感じ」はそこから来るのだが、逆にいえば、その気になれば誰でも「こんな感じの」絵は描けそうだ、ということになる。それはレオナルドやルーベンスといった、私たちに手の届かない天才たちより、ずっと身近=現代性を私たちに感じさせるものではないだろうか。

 

薔薇の似合う人

宮里 藍 さんへ

プロゴルファー宮里藍さんの引退会見をテレビで見た。

話したことはもちろん本心だろうけれど、「話さなかった」ことは、もっと何倍もあるはずだ。話した内容は「誰にでも理解できる範囲」限定で、プロとしての本当の苦しみなど、ああいう場で話せるはずもない。けれど、「ひたむき」という言葉の重みは伝わってきた。

唐突だが、日本の国会議員に、せめて藍さんの半分、いや、そのまた半分の正直さがあればなあ、と思う。

 

暇ではないが、ヒマ潰し

イタチ君、鶏とイタチ、鶏の王様(左から)

用済みの試作を捨てる。ちょっと面白そうな部分だけ、ハサミで切り取って加筆し、3部作にしてみた。

全くの遊びだが、これが案外楽しい。切り取ったまま、何のアイデアも浮かばず10年を超えたものもあるが、それは仕方がない。