絵画教室の人々- 4

「微風」(部分)水彩

先輩が、ある展覧会で受賞したみたいです。すっごーい!なんて思って、クラスのお友達数人と見に行った。

何、これ?…すっごーい下手くそな作品ばかりの中、先輩の絵の横になんとか賞と書かれた金色の札が下がっていた。喜んでいいの?、賞など蹴っ飛ばせばいいのにと、思うくらいに、まわりの絵がひどかった。あの中で賞をもらって嬉しいかなー、なんて思ったが、会場で会った先輩の顔が光り輝いていたから、全員で「おっめでとー!」としか言えなかった。

次のクラスの時、あらためておめでとうをいう前に先輩が唇の前に指を立てた。だから私達も何も言わなかった。でも、そのことが私には先輩の受賞そのものより嬉しかった。

だって、あの中で賞を貰って舞い上がってたりしたら、ちょっとがっかりだったもの。さすが先輩。私、すっかり見直しちゃった。

でも、先輩の絵のどこがいいのか、わたし本当は良くわかんないんです。