冬が来れば思い出す

オジロワシ舞う

「夏が来れば思い出す」ではないが、冬が来れば思い出すことも少なくない。

雪上に点々と続く動物や鳥の足跡。空から激突するようにドスンと体をぶつけて着地する雉(キジ)の丸い胴体のあと。ドタドタした駆け足(滑走)、飛び立ちの瞬間、やっと浮いた体重の下を微かに羽根の先が雪を掻いた痕跡。

立ち止まり、何か考えるように小さく回り、また歩き出す一本の点線。脚を踏み出すたびに、深い雪をほんの少し引っかける。それが転がって微かな線を残す。柔らかな窪みは、そこで狐が束の間の休息を得たことを示している。小さな動物が雪に半分埋まりながら、うねるように歩く。それらのイメージを、半分は動物になって追体験してみるのが冬の愉しみの一つ。葉を落とした灌木の茂みの中に、野生の梨が鳥たちに見つからず残っていたりする。それは天からのご馳走だ。