三宅一生 / Issei Miyake

これは何でしょう?

三宅一生(みやけいっせい)の服のデザイン。ショートのワンピース。下から頭を通し、上の丸い部分を肩まで折り返す。赤い部分が袖で、手の甲まで覆う。正面は谷折りを広げたようになる。

三宅一生は一枚の布を、「折る、穴を開ける、閉じる」という、極めて基本的、かつシンプルな手数だけで「服」という概念を満足させるデザインにチャレンジしてきた。いわば服飾のミニマリズムを目指してきたということ。しかも、同時にモダンデザインでなくてはならない、というハードルを自ら課して。

それが優れたデザインであるかどうかは技術的な問題。大事なのは何故一枚の布(でなくてはならない)なのか、それが正しい問いなのか、さらにそれをどう検証すべきなのかを「自ら考える」ことにある。三宅一生が、その辺のデザイナーと別格なのは、いまだその問いの只中に居ようとしていることにある。