雪は悪者ではない

アザレア

建国記念日。といっても実際の期日は定かではなく、神話上の初代天皇・神武が即位した日を、明治になって換算した日とされている。

ごく一般の(ようするに政治に無関心な)にとっては、ただの休日だ。山陰(という言い方は使われなくなってきているらしい)や新潟など、日本海側の大雪には心をいためながら、関東など太平洋側では暖かい日差しにのんびり手足を伸ばしている人も少なくないに違いない。

冬の日差しは天からの格別な贈り物だから、それを受け取り、味わうのに後ろめたさを感じる必要はない。また、大雪の被害は確かに災難ではあるが、雪そのものもまた、天からの贈り物だ。雪の恵みは春以後に顕著に現れるが、特に若い人々には真冬の雪でさえ試練である一方で、何者にも変えがたい財産にもなる。

雪の美しさは、そこで実際に暮らしたことのない人にとっては、おそらく想像を超えるものだ。雪と共に生きる人々はその美しさを一生持ち続け、直接間接にそれを周囲に放射する。それを財産と言わず、なんといおうか。