風景

公園から (水彩)

木の肌を見ていた。コケのようなものが木肌についている。それがなんだか斑点のようだ。向こうの木には陽が当たり、少しだけすべっとした手ざわり感。樹種が異なるから、樹形も全然違う。

足元に影が伸びてくる。よく見ると枯葉の一枚一枚もとてもきれいだ。そこにも一つの完結した世界があるのをはっきりと感じる。きれいなものをきれいなままに描きたい、と思えばきれいさだけを抜き取る以外にない。でも、どうやって?

そうだ、きれいな風景があるのではない、のだった。それだけを見ていても本当は何も解らない。「見るべきものは自分、自分の中にその風景がある」のだった。自分で言っといて忘れるなんて…その程度の自分だなあ。