Akino Arice, here. 秋のアリスで~す

「秋のアリス」 水彩・F8

知人の絵がなんとなく「坐り」が悪いので、「どこか調子悪い?」と尋ねたことがある。「最近腰の具合が悪くって」。

この画面の、変な具合に傾いた感じがわたし自身のそれを暗示しているような気がする。この「傾き」はもちろん、画面内に微妙な動きを創り出そうという意図的な構図意識によるものだ。でも、なぜ「意図的に傾けたのか」とさらに半歩追及すると、やっぱり「腰」が無意識に関わっていたのかも、と思わないでもない。

教室のモチーフによるデモ制作を、時間を作って(とりあえず)仕上げてみた。途中で「そういえば(わたしは)子供の頃から、一つのことをちゃんと仕上げるという意識が薄かったなあ」と、ふと頭に浮かんだ。

マラソンで言えば、ゴール直前になって、急に路傍のラーメン屋さんで食べている人が気になって、いきなりその隣に駆け込み「美味しい?なら、オレも!」といいつつ、すでに(いま進行中のマラソンとは無関係の)ラーメン研究?に頭を突っ込む。例えが適切かどうかは別として、そんな感じ。「ゴール直前まで来ているから、ここで中断するのはもったいない」という意識が薄い。じぶんが成功者になれない理由はここかな?とか思いつつ、「どんなものにも『ゴール』というものはないのだ」などと、わかった風にうそぶいている自分の、「坐り」の悪そうな姿もこの絵には見える。