水彩+パステル

「冬・午後」2019 F10 水彩・パステル

水彩+パステルという組み合わせで描くのが、ごく最近の試み。水彩とパステルの組み合わせ自体はごく一般的な方法なのに、自分の中では作例が少なかった。改めて始めてみると、両技法のいいとこ取りができるだけでなく、水彩、パステルどちらのハードルも低くなることがわかってきた。これはとても有用な発見だ。ぜひ多くの人に勧めたい。

ハードルが低くなるという意味は、例えば上の絵では、人物の顔を水彩で描くとき、パステルを使うことを前提にすると顔の色は赤黒い面でグルグルっと塗ってしまえばそれで十分。水彩だけで描くようなデリケートなテクニックなど不要。後はコンテで強い輪郭線、水彩で塗られた面より明るい色だけをパステルで、光を描くつもりで書けばよい。パステルは暗い色が苦手だが、そこを水彩で下塗りをしてもらうので非常に楽に描ける。パステルの色数もたくさん揃えずに済み、一石二鳥。

問題はパステルの定着力くらいかな。定着液でしっかり止めようとすると、パステルの鮮やかな色が沈んでしまう。ギリギリ最小限に留めておく方がよい。まあ、粉末状の絵具は落ちるものだと考え、あまり永久性にこだわらない方が楽しくできそうだ。