九州北部の災害に思う

九州北部の大雨被害が凄まじい。「線状降水帯」という耳慣れない語もすっかり定着してしまった。何人も亡くなっているのは気の毒だが、それでもこの特異な気象状況にしては人的な被害が最小限で済んでいるのではないか。防災意識の浸透の成果だと思う。

けれど一方で高齢化が進み、高齢者ほど生活からも情報からも取り残され始めている現実が報告されている。また今回の特殊な気象現象も、温暖化など人類自らの行為の影響がないとは言いきれない。となると、自然災害のように見えながら、或いは人災の犠牲という側面もあるかも知れない。

開発と災害は欲望と知恵の果てしない闘いだとも言える。「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があるが、三人どころか70億を越えた人類から知恵が出ないということはあるまい。