少しずつ制作が進んでいます

大震災以来、気持が集中せず、遅れていた大作がだいぶ進んできました。

二月末頃、大作のアイデアを決めた。空を海に見立て、そこから滝のように水が落下する、大洪水のイメージ。その海の中に、今目覚めた巨人がゆっくり立ち上がろうとしている。滝のように落下する水は都市の真上から滝のように落ち、湧きあがり、こぼれ落ちていく。リアルなイメージがはっきりと脳裏に浮かんでいた。

3月11日、そのイメージが突如現実のものになってしまった。ショックもあり、そのままの構図、構成ではリアル過ぎて、とても描き始めることができない。当初の2.1m×5.4mを半分のサイズにして2点制作することに変更。タイトルは変更せず「シェルターの男」。シェルターのイメージも昨年から展開中だが、福島原発事故が現実に進行している今となっては、時事的な話題を捕えた、付け焼刃のイメージに受け取られるかも知れない。予言的な作品だが、仕上がりが事故より後になるのが悔しい。

「雲湧く谷間」のシリーズも10年続けたが、赤い雲が、山頂から谷を下ってくるイメージが、途中で発生した雲仙普賢岳の噴火、その火砕流とそっくりだったため、時事的な絵と見做され、結局シリーズを止めざるを得なかった。ある意味で予言が的中し過ぎる不運であるが、まさに運であるため私にはどうすることもできない。

それなら次は一億円当たった絵を描いてやろうと思ったが、具体的なイメージが湧いてこない。当たる確率は無い、ということか。

選挙がありました

4月10日、統一地方選挙の第1弾が、岩手、宮城、福島の3件を除く全国で投開票された。

結果はご存知の通り、民主党の独り負け、みんなの党の独り勝ち。自民党が躍進したかに見えたが結果からいえば勝ちとも言い難い。ただ、勝ち負けも含めて、どさくさ選挙だったという印象が強い。

東日本大震災のショックがあまりにも大きすぎ、まだ悪夢の中にいるような気持ちの中で、碌な公約も、ビジョンも示されないまま、若さだけが売りだったりの人に投票しなければならないという、不毛の投票日。みんなの党が躍進したからといって具体的に何かをしたわけではない。民主党が千鳥足になった挙句に、勝手に転んだ手から牡丹餅を拾っちゃった、という感想だ。多くの民衆にとっては、「いま選挙やってる場合じゃないだろう!」という怒りの方が強かったのでは?

こんなショック状態のときは、新しいことをやろうとする人は不利な立場になりやすい。思考停止状態にあるのだから当然だ。本当はこんな時だからこそ、新しいことを考える人が必要で、後で正気に戻った時に「えっ、あの人が当選だったの?」というため息に変わる可能性がありそうだ。

話はかわるが、絵にも同じことが言えそうだ。みんなが暗い気持ちになっている今、単純に明るく楽しげな、元気の良さそうな絵が特に受け入れられそうな気がする。暗い気持から抜け出したいという気分は実際、私にもあるのだが、そのような方向にだけ、どんどん流れていきそうな気がする。そんな時にあえて暗い気分の絵を描くのはとても勇気が要る。

ブログ始めました

ブログ始めました。よろしく。

3月11日東北関東大震災が起こって以来、いろいろ考えていたことが皆吹き飛んでしまいました。震災に遭われた方々の苦痛を思い、多くの方と同じように毎日心を痛めています。被災者の方々に、一日も早く日常生活が帰ってくることを祈ります。また、現場で働く多くの関係者、たくさんのボランティアや善意の方々の活動を知るにつけ、大変なことだと頭の下がる思いです。

実家のこともたくさんの方が心配して下さいました。ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。運良く、(本当に単にラッキーだったとしか言えません)津波の被害から免れることができました。地震直後のテレビを見ながら、少しの間ですが、家族の死が頭をよぎりました。

復興にはおそらく長い長い時間がかかるでしょう。どんなかたちでか、きっと誰にも協力できることがあると思います。私に出来ることを、私に出来るかたちでやっていけたらと思っています。

何が出来るかはまだ分かりません。今のところは募金やチャリティイベントへの参加など考えている段階です。無理せず、継続してやっていけたら理想ですが・・・。