85歳の初個展

今日、85歳を記念しての、初個展をする人(女性)の作品陳列を手伝ってきた。油彩画11点、水彩画23点の見ごたえのある会場になった。明日が初日で、会期は4日間のみ。会期中は晴天に恵まれそうだ。

絵画は全くの趣味。好きというだけで描いている、そのピュアな良さが存分に出ている好い個展だ。プロでなくても、公募展、グループ展などに出品するだけの相応の力のある人や、逆に公民館活動などによく見られる、「勘違い」レベルの人(絵だけのことです。失礼)のどちらでもない、つまり、ごく普通の絵の好きな人が、ことさらな邪欲のないまま、まるで子どものような単純な向上心を持って、素直に描き続けてきた、屈託のない絵がそこにある。

器用では全然ないが、無神経でもない。上手くはないが、それなりの工夫はある。斬新というほどのことはないが、古さを感じさせない。つまり、それなりの、見るべきところはある絵画展なのだ。

こういう絵は実際にはどこにでもあるはずだ。が、案外に見ることは多くない。それは何故なのか?それは、より上手くなっていわゆる公募展レベルになっていくか(この場合、必ずしも良い意味には使っていない)、あるいは駄目なままか(言葉が大変悪いが半分くらいジョークとして受け取って下さい)、変な考えに毒されて更に駄目になる場合が多いからではないかと、私は以前から考えている。

素直な向上心(素直なだけでは物足りない)を持ち続けることが、難しいということなのだろう。この人の絵の仲間のお一人が最近亡くなったが、その人も、素直な向上心を持ち続けた方だった。良い仲間は大切だ。その仲間を喪ったことが、今度の個展を後押しした理由の一つであることは(聞いてはいないが)確かだと思う。 2011/5/18