悪魔のささやき

黄色のワイン瓶のある静物 (水彩)

7月7日にブログにアップしたこの絵のプロセスの動画を、昨日(7/21)YouTube(青いカモメの絵画教室) にアップした。編集にあしかけ3週間(そのうちの1週間以上は何もできず)かかった。画像編集が終わってからのナレーションの方がむしろ時間がかかる。下手なナレーションなど無い方がいいのではないか、と毎回自問しつつ。

「動画は短ければ短いほどいい」のだそうだ。聞くと「40秒」以内が主流になりつつあるという。スポーツやダンスなどでは、40秒あれば確かにそこそこの勝負まで伝えられる。大相撲名古屋場所がコロナ蔓延の中で興行中だが、相撲の結果だけ見たい人にとっては勝敗一覧表の1秒でいいし、取り組みダイジェストを動画で見れば、ライブなら2時間かかる幕内全取り組みを数分で見終える。

けれど絵のようなもので何が伝えられるかというと考えてしまう。完成作を見るだけならそもそも動画にする必要などない。動画にする意味は、まずそのプロセスに興味がある人にたいしてだけ。そういう人がどれだけいるかと考えてみると、膨大な時間を使ってほとんど無意味なことを自分はしているのではないか、そんな暗澹たる思いにとらわれてしまう。

「40秒」という悪魔の囁き。聞かない方がよかったのか、それとも聞いてよかったのか。この暑さの中で、心がキューっと冷えていく気がする。