ルーベンス展

「ルーベンス展」チラシ

「ムンク」を見ようと上野へ寄った。目的は銀座での個展2つだったが、せっかくだし、ひょっとすると年末の忙しさに、絵など見ているヒマ人は世間にはいないのではないか、と電車に乗っているうちに思いついたのだった。

ところが、今日は東京都の「シルバーディ」、65歳以上無料とのこと。さすが東京の老人は目ざとい。30分待ちの札を持つ係員を見て、やめた。何というムンク人気。これで諦め3回目。がっかりして駅に戻る途中、西洋美術館の「ルーベンス展」に寄り道した。

やはり、全然話題に「なっていない」だけあって、内容は全然物足りない。「世界各国のルーベンスを集めた」とあるが、殆どが「工房」作で、確実にルーベンス作だと断言できるのは、彼自身の五歳の娘「クララ」を描いた小品(4号くらい)ほか数点だけ。チラシの写真、右側に背中を見せる豊満な金髪の女性の横顔。描き方の癖から見ても、金髪のテクニックからいっても少なくともその部分はルーベンスだ。けれど100%ムンクの「ムンク」展とは比較にならない。でも、「クララ」は何度見ても飽きない、いい絵だ。

それと、せっかく西洋美術館自体が世界遺産になったのに、コルビュジェの初期の設計の部分が全然見えない(見せない)のは何故なのか。展覧会より、建築の方が確かにいいのに、それを積極的に見せる工夫をしないのは大きな疑問だが、そもそもそんな話が全然聞こえて来ないのは、どういうことなんだろうな。

デモンストレーション

デモンストレーション
油彩にしてみた

昨日はMの会、今年の最終日。ほとんどの人が継続中か、一段落ついたところ。きっと、ホッと油断しているだろうと思って、デモをやることにした。それに毎回口で絵を描くだけなのもフラストレーションが溜まる。

アクリルで1時間ちょっとで描いてみた(上)。実物を見ながら描くのは単純に技術的な訓練。若い頃は目の前に物を置いて、毎日何時間も描いていた時期がある。やることがなくて暇だったからだが、どことなくそれが身にしみついていて、描き始めると懐かしい感じがして、つい夢中になる。自宅に帰ってから、もう一度箱の静物を取り出したが、続けて描こうなんて考えてなかったから、中味はかなり動いてしまった。光線条件も全然違うが、止めればそれきりだと考え直して、ついでに久しぶりに油彩に切り替えてみた。

風景画の試み

宮代風景

水彩画への、私にとっての新しいアプローチ。簡単なことなのに、なかなか第一歩を踏み出せなかった。鉛筆を一切使わず、絵の具が乾かないうちにどんどん描いていく。それだけが条件。面白い結果になりそうな気がする。

しかも、私には実際、こんな風に見えているように思える。明るさと色、ぼんやりしたかたち。これを油彩でもテンペラでもやり、人物画でも静物画でもやる。でも、水彩の方が何となく肌に合うというか、可能性が大きいような気がする。