青い林道

      「青い林道」のための習作 水彩

構図の課題としてはたぶん不合格。画面の右と左の雰囲気が真ん中ですっぱり分かれてしまっている。普通はどちらか一方を選択し、一方はそれに合わせるだろう。その方が見る人をまごつかせずに済む。

この場合はあえて不合格を選んだ。実際にそうだったかどうかはどうでもいいが、この方が「自然」だと感じたから。セオリー通りの構図は確かにピシッと決まるが、面白くない。こちらの方が意外性があり、それがたぶん堅苦しさを和らげている、ような気がする。

土の林道だから、車が通るとだんだん凹凸が深くなる。そこへ砕いた石を放り込む。石の白さが木の影に入って青く見えるのは夏の陽ざしのせい。その青を強調してみた。
 もう一つ試みがある。今回は積極的に「白」を使ってみた。結果から言えば「描くのが楽」。白抜きやマスキングは手間とテクニックが要る。その点、白を使えば簡単に描ける。が、そのぶん、つい描き過ぎてしまう。また、白を使っただけで表現が油絵的になる。ご覧の通り。

あざやかな緑

        「あざやかな緑」  水彩+アクリル

曇った日でも30℃近くなる日が増えてきた。外へ出かけるのが更におっくうになる。夏の暑さは辛いが、決して嫌いではない。暑さにふうふう言いながらも、夏の方が仕事ができるのは薄着でいられるせいかもしれない。袖に腕が引っ張られたり、厚ぼったい生地にまとわりつかれる感じがしないだけで、だいぶ清々する。

下描きは水彩。あとはほぼアクリル絵の具とペインティングナイフだけで描いてみた。奥の建物は上に1.5倍ほど伸ばして、空を小さくした方が構成上は良かったかもしれない。ナイフでは細かく描けないのが幸い、主張が明確になる。そんな主張など、誰の耳にも届かないんだけど。

百合を描く

       「カサブランカ」 水彩

いわゆる「西洋絵画」をちょっと学ぶと、「百合」の描かれた絵が続々と出てくることに驚くかもしれない。一般に西欧絵画といわれるもののイメージが(14世紀以後の)油絵であり、その本道が「キリスト教絵画」であったことは多くの人が知識として知っている。そこでは百合が、「純潔」「高貴」の象徴として登場する。特に多いのは大天使ガブリエルが処女マリアに妊娠を告げる場面である。

「え~っ、なんでわたしが妊娠するわけ~?!」と驚くマリアの顔をどう描くか、画家たちの腕の見せ所だったらしい。ちなみにレオナルド・ダ・ヴィンチもこのシーンを描いているが、レオナルドのマリア曰く「知ってたわよ、そんなこと」。「それでどうしてくれんの?」と、ひざまずく大天使を前に「上から目線」の堂々のマリア像を描いている。
 生まれてくるのがイエスだから?イエス。父親?は鍛冶屋のヨハネということになっているが、DNA鑑定のない時代の話であるから、「百合の花」の存在意義があるわけだ。
 ちなみに、「もう、バレちゃったの~?」の困惑のマリアや、開き直りのマリアまでいろいろ表現があって楽しいが、当時の画家たちも妄想を楽しんでいたのかも知れない。ご興味の方は、(意外にストレートな)西洋絵画を勉強いたしましょう。

つい、なんの脈絡もなくありったけの教養をひけらかしてしまったが、ガブリエルが手に持っているユリは、同じ白ユリでも「カサブランカ」ではない。カサブランカは名前からして外国種だと解るが、日本にもヤマユリ、スカシユリなど15種類ほども原生種があると言われている(ウィキペディアから)。