哀愁

          グラウンド  水彩 2010年頃?

「青いカモメ絵画教室」による「青いカモメの会絵画展」が9月14日から始まる(19日まで)。その準備のためもあって、あちこち資料を移動したりするうちに、ヒョイと開いたスケッチブックの1ページ目にこの絵があった。するするっとその時の情景が目の前に浮かんでくる。

もう何年も見ていない、今はさいたま市になった岩槻の市営野球場だ。岩槻の絵画教室の人たちと、この球場のある公園で野外スケッチをしたときの一枚。ほんの数年前のような気がするが、わたしも含め、みんな若かったように思い出す。誰がどんな絵を描いていたのかも、およそは覚えている。

秋だった。何度かここでもスケッチ会をやったが、描いたのは秋の記憶しかない。天気の悪い日は出かけなかっただけのことだろうが、眩しいばかりにイチョウの葉が輝き、足元に深々と積もる葉を蹴飛ばしながら描いたっけ。そういう元気で行動的ななかに、ふと感じた哀愁の気分。それがこの構図になった。