向かい風 / Against wind

雑事にちょっと区切りがつき、快晴の空に誘われて広々した苅田の見えるあたりまで、自転車で1時間ほど走ってみた。運動不足解消と脚力・筋力アップ、気分転換と自転車(ママチャリに毛が生えたような自転車だが)はなかなか良いものだ。

と思ったのは途中まで。そこまでは追い風だったのだ。そこから先は向かい風。方向を変えても向かい風。360°向かい風だ。さして強くもないはずなのに前に進まない。まるで自転車での匍匐前進。傍を女子高生が、スマホをいじりながらチラッと、何やってんの?という顔で軽く抜いて行く。

帰宅したら汗びっちょ。あぶら汗と普通の汗だか混じりあったエマルジョン汗。半分目が回わる感じなので測ってみると、血圧114-72 脈拍104 。これで良いものなのか、ぴんと来ない。

山狩り / Comb the forest

Rose in white

街は師走。井の中の蛙である私にとっては、世の中全体が忙しいように感じるが、そんなことなどあるはずがない。たぶん、これは一種のパニックなのだ。

クリスマス、年末の支払い、正月の準備の時期だよと、メディアも経済(界?)も、私たちを急かす。周囲と一緒に進まないと、何かを失ってしまうような気分を周到に準備するのだ。

「山狩り」という猟の仕方がある。勢子(せこ)と呼ばれる多くの追手と、それに追われてパニックになり、逃げ惑う獲物を待ち構える複数の討ち手とが一体になって行う、大規模な猟だ。「クリスマス〜!」「おせち、大丈夫か〜!」というおどろおどろしい声や鳴り物に私たち(じゃなかった、動物たちだ)は動揺し、一目散に、とにかく皆と一緒なら怖くないと、狩人たちの思い通りの方向へまとまって逃げて行く。狩人たちにはその夜の大宴会がもう目に浮かんでいる。