アネモネ wind-flower

アネモネ(水彩)

春らしい色合いのものが何かないかと花を探しに行ったが、チューリップくらいしか目ぼしいものがなかった。フリージアは大好きな花だが貧弱なのしかなく、ガーベラもまだ早い。そうしたなかで、アネモネとラナンキュラスが一場を飾っていた。

アネモネもわたしの好きな花であるが、葉っぱが少し面倒だ。コスモスも葉が描きにくい。ラナンキュラスなどは花も葉も見るにはいいが、複雑すぎて描くのには躊躇する。青系統の花が特に好きだが、青紫の大輪のアネモネがあったが、ちょっとかたちが単純すぎる。ベージュ色のエレガントなのにも惹かれたが、モチーフ的にはこれかなと求めてみた。白い花の中心には深い青紫。

アネモネの語源の「アネ」は「風」という意味らしい。春風が吹けば咲く花、ということなのだろう。ちなみに「アネ」は「風=息」という繋がりから、息をするもの=命=生き物となり、動物アニマルの語源でもあるそうだ。動くもの=アニメーションもそこから来ていると何かの本に書いてあった。
 制作を動画にするために撮影の準備を始めた。専用スタジオがないので、まず片付けから始めなければならない。カメラと、とりあえずあるだけの照明器具をセットして、いざ撮影開始―なんと、花が閉じてきた!

まだ、新鮮な花なのだろう。夕方になり、ちゃんと眠りに入ろうとしているのだ。さすが「アネ」ではあるが、描く方としては開いていてもらいたい。けれど、「命」を尊重して、開いたのは開いたときということで、今回は眠りの様子を描くことになった。