面白い本

面白くできたかな?「Apple」と「鳥の習作」

最近読んだ2冊の本。「ほぼ命がけーサメ図鑑」沼口麻子、「身近な雑草の愉快な生き方」稲垣栄洋著、ちくま文庫。「サメ…」は図鑑…確かに図鑑的な内容ももちつつ、ほぼ(研究)エッセイという、少し変わった本。ほぼ体当たり体験でサメ愛に没頭する、その情熱が伝わってくる結構ボリュームのある本。「身近な…」も著者は植物研究者。最近たくさんの本を出しているが、これは文庫で、50種の雑草についての、研究者の視点をベースにしたエッセイ。俳句をやる人にはおススメだ。ただの草が、ただ者でないことを知らずに「草分けて」などとは詠めなくなる。

「ミロの絵本–うっかり地球へ」結城昌子 小学館 という絵本がある。小学低学年対象かな。ミロに注目したところがミソ。図書館へ行くと、子ども対象のアートの本もたくさんある。けれど、大人目線で、言葉だけ理解しやすくしてある、一言で言えば大人感覚の押しつけ、「覚えましょう本」が多い。「ミロ…」を子どもは3分でミルに違いない。けれど、もしかしたら、中身は一生残るかも。大人も一見あれ。

面白い本を読み、見て常に感じるのは、何をやるにも十年単位の「時間がかかるんだな」ということ。著者の情熱が、単なる知識を伝えるだけに終わらせず、著者自身に様々な体験をさせ、冒険をさせてしまう。著者自身が体験的に過ごしてきた、その数百分の一、数千分の一の時間を著者と共有させてくれる本。それが私の「面白い本」の定義であるらしい。