原発と風車 / N-power plant and Fan-driven generator

東通・岩屋の風力発電/Air driven generator

最近、右耳が聞こえなくなってきた(左耳は正常)。特にヒトの会話音域での聴力低下がひどい。原因はいろいろあるだろうが、結果だけから見ると、くだらないことを聞かずに済んで、良いことなのかも知れないと、半分本気で考えた。

スケッチは青森県・東通村岩屋地区での風力発電用風車と津軽海峡と大間崎方面を望む風景(大間崎はスケッチに見える半島の、さらにその奥。この日肉眼では見えなかった)。現在、この岩屋地区は日本で最も発電用風車が集中している場所だ。風車の、地上から羽根の付け根までが60mちょっと。羽根の直径がやはり60mを少し超えるそうだから、どれかの羽根が垂直に立った時、その先端の地上からの高さは約100mに及ぶ巨大なものだ。そばに行くと低周波から、五感に感じる様々な周波数の音が身体を震わせる。

ここからほんの十数キロ離れたところに東北電力・東通原発がある。同じ村内ながら、一方は大きな期待を担いつつある自然再生エネルギーであり、一方は今や悪の権化と見做された原子力発電所だ。天使と悪魔の同居する村と言えばいいのだろうか?正直なところ、この矛盾だらけの日本で、何でも依存症候群の日本人(私も含めて)のこの単純な二元論には、私はとても不安でついて行けない。2030年代原発廃止をぶれずに推進すると言った野田さんが、一週間も経たずに自らぶれてしまったし、あれほど騒いだ尖閣問題も、中国のデモがちょっと鎮静化したらもう報道は数百分の一になって、紙面から消えてしまった。竹島のことなどまるで初めから無かったかのように見える。

そういえば、左耳の耳鳴りも気になってきた。こんな話を聞かずに済むように、脳が自己防衛を始めたのかもしれない。