みどりの季節

         「みどりの髪、緑の服」  水彩

もうまもなく5月。5月と言えば、俳句などではもう夏にはいる。「風薫る」季節の到来、ってイメージを、ふつうは持つ。

だが、ことしは何となく “異変” を感じる。いや、もう少し正確に言えば、毎年少しずつ異変が拡大してきているのを感じてはきたが、今年はその変化率が大きいような気がするということ。桜が終ってから(北海道では今が満開の時期かな)、植物が一斉に、それも急ぎ気味に活動し始めているように感じられる。

ジャーマンアイリス、菖蒲、アマリリス、クレマチス、ツツジ類、矢車草など、夏を代表するような花が、一斉に住宅地の庭に咲いているのを見た。華やかで美しいが、どこか怪しい。
 気象庁が「猛暑日」より暑い、40度超えの日の呼称を募集し、このほど「酷暑日」と発表した。呼称としてはまあ、順当なところだろうけれど、そんな日が何日も続くのではないか、と心配になる。熱中症に一番効くのはエアコンだが、イラン戦争、ウクライナ戦争に加えて気候変動のアンバランスも重なると、エアコン製造の資材(素材)、物流、運営コストなどをふくんだ供給が間に合わない、ということが現実化するのではないか、と思う。

もちろん、お金持ちはそんなことは想定済みだし、いくら高騰しようが、供給が細くなろうが、お金の力を使うことができる。一方、お金のない人、環境の悪いところから出られない人々が必至に生き残りを図れば図るほど、ますますお金持ちは太っていくように、この世の中は作られている。そうなるようにこの社会システムを作ったのは彼らだから。
 「みどりの季節」はお金持ちの庭以外にも、今はある。ごく近い未来、地球がダメになる前に、(自分たちだけは)火星か月に移住できるようにしよう、と考えている人々がいる。

Strait of Hormuz closed again,

            「タチアオイの風景」試作  水彩

散歩道の風景。今日も歩くのが億劫なので自転車だけ。タチアオイはさすがにまだ咲いていなかったが、ジャーマンアイリス、アマリリスが住宅地の庭にすでに咲いているのを見た。今年は季節感が前倒しで進んでいる印象だ。

イランが核兵器開発を(当分)「やめると言った」ということで、トランプが「ホルムズ海峡」は安心だと言ったとたんに、イランの革命防衛隊がホルムズ海峡を「支配」宣言。封鎖、支配、安全を担保云々・・トランプの安心って、なんやねん。

石油とかナフサとかの話題と少し離れて見ると、結局トランプのやっていることは、ネタニヤフとプーチンに操られているだけじゃないか、という気がする。
 一見でたらめな行動に見えて、実に周到に、(世界情勢は不確かだ、という常識を利用して)偶然を装った支援を二人に続けるこでは一貫しているともいえるのではないか。

実はこの風景の背景に、都市ガスのガスタンクがあって、題名も「ガスタンクの見える風景」と考えていた(今からでも変えられるが)。タチアオイの脇の道は耕運機などが通る農道だ。ハウス栽培に欠かせない暖房用重油や農機具などに使うディーゼル燃料の値上がりは、いずれわたしのおかず一品に響いてくる。その意味で、この道はホルムズ海峡につながる道でもある。

グリーンランプ復活

      「少年鷹匠」  水彩

いいニュースがひとつ。ハンガリーのオルバン政権が選挙で惨敗したこと。
 マジャル・ペーテル氏率いるティサ(尊重と自由)党が、議会の2/3以上の議席を獲得すると伝えられている。国の内外で忌まわしいことが続いているなか、消えていた緑の安全ランプが光を取り戻したような気がする。

ただし、16年間続いたオルバン氏による「国家乗っ取り」(とヨーロッパでは言われているそうな)システムの解体は難工事が予想されている。いわゆる「既得権益」受益層からの反発、揺り戻し工作が必至だからだ。それを乗り切れるかどうかは、高齢者が若い人たちを支える側に回るかどうかだろう。

議会の 2/3 を超えるといえば、ついこの間の衆議院議員選挙における「高市圧勝」を思い出す。オルバン氏が独裁に近い現在の政権に就いた16年前も、やはり議会の 2/3 以上の議席で圧勝し、それを基盤に憲法を変え、選挙制度を変え、国家機関の人事制度などを変え、メディアや国営企業の人事、経営に身内や取り巻きを据えるなど、時には暴力も厭わず権力維持のために有効な改変を施してきた、と指摘されている。その過程でプーチンとの関係を深め、ハンガリーのプーチンになるべく自ら傀儡となっていった。そのプロセスがEUなどから指摘され、時には反EU的な行動が制裁の対象にもなった。ウクライナ戦争で、しばしばプーチン側に立ち、EUやNATOのウクライナ支援を邪魔してきたのはご存知の通り。
 オルバン政権交代を見て、EUは「ハンガリーはヨーロッパを選択した」と好感している。

高市政権は衆議院の 2/3 以上を獲得し、高市氏は「憲法改正」が視野に入ってきた、と述べ、憲法審査会などを積極的に推進する意向を示した。オルバン政権の歴史を想起させる流れだが、今のところ参議院では自民党単独では半数 にも達していない(=101/248。憲法改正の発議には、衆参両院ともに 2/3 以上の賛成が条件)。
 高市氏がオルバン氏のような個人的独裁志向があるとも、今のところは思えない。政権の中枢や国家機関、各種の公営企業等に身内、取り巻きを平気で配置するような、トランプ流の厚かましい人間だとも思わない。かと言って、自民党の独裁をも目指していないとは言い切れない。そこは区別して見ておく必要がある。