マイ・カメラ悲話

マイカメラ (CGスケッチ)

わたしは電気機器や電子機器、IT関連の機器も、というより機械類すべてが苦手だ。このブログを書いているパソコンももちろん苦手。とは言っても、パソコンの一般的機能、たとえばネット上での検索、メールの送受信、簡単な表計算、ワードなどで作る文書類。写真の取り込みと加工、簡単なイラストやデザインを描く、などには少しずつ慣れてきた。パソコンを使い始めて20年以上になるうえ、ほぼ毎日何らかの用事で使うのだから、多少は慣れない方がおかしいくらいだ。

カメラも苦手である。これでも大学1年生の時は写真部員だったのだから恥ずかしい。写真を見る面白さは多少わかったが、機材に対する研究心が全然足りなかった。けれど、今時絵を描く人で、スマートフォンか本格的なものかは別にして、何らかのカメラの世話にならない人はいないのではないか。わたしもどうしても動画を撮る必要があって、昨年末にこのカメラを購入した。

本当はこれの一つ上のグレードのものが欲しかったし、買うこともできたのだが、いろんな制約があってのギリギリの選択。なのに、いったん用事を済ましたあとはほとんど使っていない。買ったときは、これから一生懸命動画を撮り続けるぞという意気込みで、動画編集ソフトもセットで購入したのに、その動画編集がわたしにとって難しく、急速に気持ちがしぼんでしまったのだった。

コロナ禍はまだ続く。やっぱりこの機会に当初の目的を果たそうと、久しぶりに取り出した。でも、見事なほどスッキリと脳の記憶回路が空になっているのに、自分でも驚く。さいわいiPadでの描画ソフトにはだいぶ慣れてきて、いまはスケッチブックと同じ程度に気軽に扱えるようになっている。それで、スケッチのモチーフという、哀し過ぎる「カメラの使い方」になったという、涙の物語。