クジラのようなものを喰う-終了

「凛々しい」と口走った人がいた

外のまぶしい明るさのせいで、母屋の中は暗く感じられるが、周りはぐるっとガラス窓で、外の景色はよく見える。

中には誰もいない。一つの窓が開いていて、レースのカーテンが揺れている。上にいくつかの額がかかっていて、そのうちの一枚があの子どもたちが写っている写真のようだ。しかも、そこには父親、母親らしき人たちも。

なるほど…。この写真の中に、あの二人の女性を探せばいいのか。でも、それ以外の人はどこに?

近くの小さなテーブルの上に、白い、やや大きめのお皿があり、その上に綺麗な模様のハンカチがかけてあるのに気づいた。

ハンカチをこっそり持ち上げると、黒い蒸しパンがちらり。「クジラの…」かと思ったが、本当の蒸しパンだ。と思っているうちに、非常識にも、誰の許可もなしに既に半分も食べ尽くしている。

「それはマズイでしょ」と、内心「夢の演出家」に抗議する私の口の周りに、まるで私が悪行した証拠のように、やたらにベトベトとそのパンがくっつくのは何故なのだ!「おい、演出家!それって、変だろ?」

あとで考えると(夢の中の「あとで」っていつなんだ?)、それはどうやら「使命完遂」のご褒美であったらしいのだが、「使命」そのものの意味は特に無いようだった。