「鉄」より「花」

「鬼灯のコンポジション」  水彩+CG

自民党総裁選の議員投票が昨日行われ(なぜか宝くじの抽選会場を思い出したが)、高市早苗氏が新総裁に選出されたのは皆さんご存知のとおり。自民党総裁は、現時点では新首相に選出されることはほぼ間違いなく、高市氏が初の女性宰相になることがほぼ決まった。

「日本をふたたび世界のトップにする」“ジャパン・バック” とかマイクの前で叫んだが、「メイク・ジャパン・グレート・アゲイン」とも言っていたそうだから、トランプに似たような政治姿勢を採るのだろうか。

男系天皇を固定するために皇室典範を変更することを前面に押し出すなど、自民党の中でも右寄りとして知られているが、自分自身が初の女性宰相になろうという立場(当時)で、なぜ女性天皇がいけないのかその理由が理解し難い。実際に歴史上8人(10代)の女性天皇がいて、その功績もある。天皇ではないが、卑弥呼という存在だってある。それらは否定すべきことなのか。海外ならエリザベス女王をはじめ少なからぬ女王もいる。それらは日本の女性にとって誇りにならないのだろうか?

イギリスのサッチャー元首相を手本に挙げた。海外でも女性の首相や大統領ももう珍しくない。日本版「鉄の女」になるより、世界の女性宰相とも交流を深めて戦争を避け、世界に平和をもたらす「花のような女」になってもらいたいと思う。

芸術と健脚の一日

西房浩二「Gousau」油彩50号 (日本橋三越での個展図録より)
ネアンデルタール人(展示品です。国立科学博物館-氷河期展にて)
    「クロマニヨン人のアート」 トナカイの角に彫られた羊の顔のレリーフ

10月2日、体調が良かったので、知人の個展を含めて4つの展覧会を廻ってきた。最初は日本橋三越本店で開催中の「西房浩二個展」(6日まで)。図録を送ったり送られたりでお互いに最近の作品まで知ってはいたが、会うのはかなり久しぶり。最後に会った時でも、たぶん私の髪はまだフサフサだったはずだから、現在のわたしを見ても分からないかも知れないと思っていたが覚えてくれていたのは、さすが画家ですね。羨ましいことに彼はほとんど変わらず、万年青年のまま。水辺の風景が得意な西房氏だが、あえてこの絵を紹介する。
 この、一見バラバラに点在するモチーフ。それをこうも絶妙にトリミングすること自体驚嘆しますが、それをいかにも「見たまんま描いただけよ」風に描き切っているところが本当はすごいところ。「そのまんま」なんてあるわけないんですよ、実際は。作者がいて、切り取って見せることで、はじめて「見たまんまの=実景」に見えるんです。長閑な、古き良きヨーロッパに行ってきたような気になりますよね―心地よく作者の魔法にかかってくださいね-。

そのあと上野に回り、東京都美術館で「ゴッホ展」を見ました。あとで見たらゴッホの「作品展」ではなく、ゴッホを巡る、弟テオとその妻ヨーとの「家族の関係」、ゴッホ作品と彼の周辺とのかかわり方がタイトルになってました。義理の妹ヨーの活躍は初めて知り、感銘を受けました。
 おなじ上野公園内だし、国立博物館本館での「運慶」も見た。興福寺北円堂を再現した展示は一室7点だけのこじんまりしたものだったけれど、さすがに運慶はいつ見ても凄い。“運慶” は、確認されているものだけ3点。一緒に展示されている四天王像も「運慶(作)の可能性がある」と解説されていたけれど、やはり「工房」作かなとわたしは感じた。要するに運慶の「関与の程度」の話であり、完ぺきな作者を特定する方向性自体にも問題の一端はある。当時は「個性尊重」など無い時代であることをもっと考慮すべきだろう。もちろん、運慶の指導下での制作らしく、迫力満点ではあった。会場は撮影禁止なので、そんな部分は残念ながらお見せ出来ません。絵画展などに比べると彫刻は見る人もずっと少ないけれど、逆にそれがじっくり鑑賞できるチャンス。「日本の誇り」って気持ちにもになりましたよ。

博物館からの帰り道を科学博物館よりに歩いたら、特別展「氷河期展」というのをやっていた。会期を見ると今月の13日までだというので、見ていくしかないじゃん!急ぎ足で見たので大した報告はできませんが、とりあえず「ネアンデルタール人」の写真をご覧くださいな。なんてカッコいいんでしょう!わたしならこのままの姿でニューヨークを闊歩したい!
 下は、クロマニヨン人がトナカイの角(つの)に施したレリーフ(浮き彫)。“センス” というのは本当に時代・空間(時空)を超えるんだなーと感動しました。それが現代までちゃんと遺るという“奇跡” は、まさに作品が、それ自身の力によって成し遂げたこと。
 “運慶” の力って、(貴方は「不特定多数」の人にとって誰なの?)に対する鏡を突き付ける人、孤独で独りよがりな「あなたを変える力を与える人=運慶」。だから「芸術家」なんですよ、運慶は。

「鬼灯(ほおづき)」でアップデート

          「鬼灯」  CGエスキース

なんとしても鬼灯(ほおづき)を一枚絵にしたいと、夏の間ずっと考えていた。鬼灯に特別な思い入れがあるわけでもないけれど、なんとしても乗り越えたい手ごわい相手。これまで何度も挑戦したが、すべて「返り討ち」されてきた。

「バカにしないでよ、そっちのせいよ」というのは山口百恵(って誰?って言われちゃうんだよねー。世代の違いが愕然・・・)の「プレイバック」の歌詞だったか?この場合、そっちのせいより、こっちのせいなのだが、いずれにせよ「バカにしないでよ」だ。

手もとにiPad があっても、しばらくドローイングには使っていなかった。今日もスケッチブックとフェルトペンをを出してエスキースを作ろうとしたが、「待てよ。たまには iPad 使わなくちゃ忘れちまう」というわけでの、無理やり脳リハビリCGエスキース。情けねえね。

忘れていたところも多かったけど、やっているうちに少しずつ思い出す。使わないうちにアプリがアップグレードされていたりして、それなりに新鮮。エスキースの内容云々より頭のリハビリだと考えていたら、左手の動きが微妙にアマイ。ほんの少しの差だけれど、数か月前から、左脚がなんだか頼りない感じがしていたことと合わせて考えると、自分でも気づかないほどの軽い脳梗塞が左半側に出ているのかも・・、なんて怖いこと考えちゃったゼ。数センチ、ヤバいけどどうするかね?
 身体の左側だけ汗をかくのも、最近になって気がついた。そんなことあると想像もしていなかった。上がる気がなくても、身体は一歩ずつ勝手に天国への階段上っていくね―。