アメリカはロシアの手下?

       「男たち」   ペン

ノーベル平和賞など、最もくだらない賞の代表例だ、と思う。くだらない、と言うだけでは意味不明か。ならばいっそ無くした方がいい賞だ、と言い換えようか。それを喉から手が出るほど欲しがっている男がいて、自分のものでもないその賞を彼にあげようとすり寄っていく、もっとくだらない人間どもがいる。

11月20日、(ウクライナ抜きでロシアとアメリカが事前協議してきた)ウクライナ戦争の和平案なるものを、アメリカがゼレンスキー大統領に示したというニュースがあった。すでに取沙汰されていた28項目にわたるというその内容が、公式発表ではないが “半ば意図的” にリークされ、多くのメディアを通じてその内容がかなり明らかになってきていることはご存知の通り。

ひとことで言えば「ウクライナに対する完全降伏勧告」である。プーチンが仕掛けた戦争の口実をほぼ 100% 鵜呑みにしたうえ(あるメディアは「wish-list 希望リスト」と呼んでいる)、それに「(ロシアと)アメリカの利益」を上乗せしたものだ。なぜそこまでロシア寄りなのかは置いておくとして、とにかく一度でいいから停戦にでもできれば「ノーベル平和賞」ポイントに到達できるでしょ?という思惑が見え透いている。「ノーベル平和賞」獲得が隠れた最優先課題にされてしまっている。

ウクライナとしては拒絶するしかない、はずだが、どっこいゼレンスキーにも身内の汚職事件という弱みがあり、その足元を見られた格好だ。ウクライナ国民にとってはたまったものではないが、トランプは27日までに回答をと、圧力をかけているらしい。
 アメリカの「良識」はどうなってしまったんだろう?それともこれがアメリカの本当の姿なのか?先住民から土地も資源も無理やり奪い取ったアメリカの歴史が、アメリカの本心(ウクライナなどに関心はない)をみる手がかりなのかもしれない。

「人殺し」が現代の「英知」?

       「たそがれ」 ペン、色鉛筆

ウクライナ戦争が4年目に入っている。ガザでのイスラエルの攻撃も2年目。ウクライナ戦争では双方で100万人規模の死傷者が出、ガザでもすでに死者だけで6万人以上をかぞえている。世界はそれを止めることができない、というより、本気で止める気などなさそうに見える。

「戦争は儲かる」からだ。ロシアの侵攻を受け、必死で抗戦している側のウクライナでさえ、ゼレンスキー大統領の「身内」による賄賂強要、水増し請求などが明らかになってきている。カネの前には敵味方もなく、人の死など眼に入らない。

ロシアもウクライナも、この戦争を通じて多くの兵器を国内外からかき集めて使用し、膨大な死傷者をカウントすることで実地にその有効性を確認、データを提供国にフィードバックしている。各国(の企業、産業)はその「得難いデータ」を駆使し、もっとたくさんの人を、短時間で的確に死傷させるための「商品」のグレードアップに余念がない。人の死で得られたデータは「戦争」あっての「宝の山」だといわれている。当のウクライナも日々更新し続けるドローンのノウハウを、「戦術」も含めて今後は輸出すると既に公表している。
 イスラエルが、ガザを中心に「殺戮(兵器、技術)の大エキシビション」をくり広げている。砂漠の中の、石油資源もない小国イスラエルが、どうやって国を発展させてきたか。世界の国、産業界は(目立たぬように、そのエキシビションの中に加わりたいと)なかば羨まし気に見ているに違いない。

アメリカもドイツもイギリスもフランスも、そして隣の韓国までも、 “不法な侵攻を続けるロシアからウクライナの平和を取り戻すため” と武器供与(資金供与も実態はよく似たものらしいが)をする。それ全体が嘘とは言えないが、兵器産業は国家規模のビジネス。単純な連帯感や平和への意義などだけで行われているわけではない。中国も北朝鮮も心の中は同じ、と考えておく方がいいようだ。
 AIを含むあらゆる産業の頂点が、「兵器(軍需)産業」。「自国の兵士の命を守るため」他国の兵士を一挙に木っ端微塵にしてしまいたい、とどの国もお互いに考えている。知識もカネも果てしなく注がれるわけだ。結局、「国」という大規模化したマフィアが、家族や友人どうしを戦わせて、自分たちだけが肥え太っていく構図。これが人類の「英知」なのか?

岩槻・鷹狩行列

鷹狩の家康公。行列中のひとコマ
ハリスホークを手に、きりっとした少年鷹匠たちも参加。カッコ良かったですよ。

11月3日(月)は文化の日。旧岩槻市(現さいたま市岩槻区)で鷹狩行列を初めて見た。由来は江戸時代、徳川家康が岩槻に何度も鷹狩に来たという史実から。行列は今年で13回目だという。鷹約20羽、行列の総勢100人とパンフレットに書いてあるが、見た感じもほぼそれに近かった。

晴れていたのは良かったが、あいにくの強風で放たれた鷹が風に翻弄され、「大丈夫だっ鷹?」とツッコミを入れたくなるほど、鷹にとっては狩どころではなかったようだ。聞くとだいたい1~2歳の若い鷹で、まだ十分な力がないとの事だった。近くで見るとあまり見たことのない顔。鷹の種類は?と訊くと「ハリスホーク(和名モモアカノスリ)」だという。
 (蛇足ながら、ハリスホークはノスリよりやや小型の鷹で飼いやすく、「猛禽類の入門種」といわれているらしい。北アメリカ南西部からアルゼンチンにかけてが本来の生息地だが、現地では開発のため数が減っているともいう。その代わり、飼育のしやすさなどから、近年は(世界での)鷹狩によく使われるそうだ。広場に増えすぎる鳩を適当に駆除する目的にも使われることがあるようだ。)

鷹狩行列は実行委員会と岩槻区との共催だから、一種の街おこしイベントだろう。けれど、目的達成はそんなに容易ではないぞよ、きっと。屋台がずらり、なんて光景もなかったし。ゴール地点の岩槻小学校で、寸劇風に将軍家康が「岩槻は安泰、余が守るぞ」なんてマイクで言ってたけれど、「強風に翻弄された鷹のように、岩槻も社会の風に飛ばされんなよー」と心の中で祈ったのだった。