子どものかお

「子どものかお」  フェルトペン

今までほとんど絵を描かずに過ごしてきた人たちが、生成AIを使って “オリジナル” の絵を描き、「作家、画家」としてどんどんデビューし始めているというニュースが、もうニュースではなくなってきた。

鉛筆などの筆記用具もクレヨンや水彩といった画材も使わない。広いアトリエも用意しなくていいし、画材の知識も必要ない。言葉だけで、3~4種類の絵が3分で完成する。それが売れる。

美大を受けるためにデッサンなど時間を体力とお金を使って勉強したり、画塾へ通って腕を磨き、公募展などで入選、受賞と努力を積み重ねていく。日々の修練を欠かさず、お金と時間を割いて取材に行く。そんなことは無意味なことなんだろうか、少なくともプロを目指す人にとっては。

絵が下手だ、と自分の絵に自信を持てなかった人、描くのは好きなのに身体的にできなくなった人、そうした人々にとって、可能性が膨らむのはいいことだ。小説を書くなど考えたこともなかった人も、いくつかのヒントをAIに与えるだけで、小説家になれるかもしれない。心身を削って、一語一語絞り出さなくてもよくなり、作家の健康にとってもいいことだ。病気になって身体を動かすのも大変なのに、長い待ち時間を強いられる病院など行かず、AIのお医者さんに尋ねれば済むことは、患者にとっても、医療費の増大に悩む自治体や国にとってもいいことだ。
 そのうちあらゆる発想もAIにお任せし、結果の判定もAIに任せれば、見解の相違などと対立することもなく平和になる。自分にとっての幸福とはなにか、もAIが考えて?くれるだろう。誰も悩みなど持たず、ましてや自殺など考えずに済むのはいいことだ。

安青錦‐大相撲初優勝!

      「小春日和」  水彩

大相撲九州場所で、ウクライナ出身の関脇安青錦が、12勝3敗の相星で並んだ横綱豊昇龍との優勝決定戦で勝利。初優勝と大関昇進の2つを同時に手にした。

わたしは子どもの頃から相撲が大好きで、場所中はラジオで実況放送を聴きながらウォーキングすることが多い(テレビは見る時間がない)。安青錦は、しばらく前から相撲解説者の舞の海さんの一押しの力士らしく、ラジオで聴く限りでは、相撲の本道である「低く、鋭い立ち合い、頭を上げない」を徹底している力士なのだな、という認識があった。たとえ地味でも、そういう力士(他には若隆景など)がわたしは好きなのである。

安青錦は安治川部屋に所属している。安治川親方は技能相撲で有名だった元「安美錦」。その師匠である、元横綱「旭富士」(伊勢ヶ浜→現宮城野親方)も、この「低く、鋭い立ち合い」を徹底していた。それが横綱、照ノ富士を作り上げた(照ノ富士は引退し、伊勢ヶ浜部屋を継いでいる)、と思う。
 旭富士が活躍しはじめた時期、わたしは性格的には、同年代ということもあってか横綱「隆の里」が好きだったが、いわゆる「腰高」の相撲で、短命の横綱になってしまった。弟子である「稀勢の里(現二所ノ関親方)」もその影響を受けたせいか、相撲が全体として腰高で、(他の事情もあるが)横綱としては活躍できないまま終わってしまった。低く鋭い立ち合いができていたら、もっともっと活躍できたろう、という残念感が今もある。

安青錦の相撲は、相撲の動作の基本を徹底している。それが(彼が外国人であろうとなかろうと)純粋に相撲好きなファンの心に届く。安治川親方の指導の賜(たまもの)でもあるが、それが可能になる安青錦の素質(心理面も含め)が素晴らしいのだろう。大関になっても、今の相撲を忘れさえしなければ横綱になる日は近い。

アメリカはロシアの手下?

       「男たち」   ペン

ノーベル平和賞など、最もくだらない賞の代表例だ、と思う。くだらない、と言うだけでは意味不明か。ならばいっそ無くした方がいい賞だ、と言い換えようか。それを喉から手が出るほど欲しがっている男がいて、自分のものでもないその賞を彼にあげようとすり寄っていく、もっとくだらない人間どもがいる。

11月20日、(ウクライナ抜きでロシアとアメリカが事前協議してきた)ウクライナ戦争の和平案なるものを、アメリカがゼレンスキー大統領に示したというニュースがあった。すでに取沙汰されていた28項目にわたるというその内容が、公式発表ではないが “半ば意図的” にリークされ、多くのメディアを通じてその内容がかなり明らかになってきていることはご存知の通り。

ひとことで言えば「ウクライナに対する完全降伏勧告」である。プーチンが仕掛けた戦争の口実をほぼ 100% 鵜呑みにしたうえ(あるメディアは「wish-list 希望リスト」と呼んでいる)、それに「(ロシアと)アメリカの利益」を上乗せしたものだ。なぜそこまでロシア寄りなのかは置いておくとして、とにかく一度でいいから停戦にでもできれば「ノーベル平和賞」ポイントに到達できるでしょ?という思惑が見え透いている。「ノーベル平和賞」獲得が隠れた最優先課題にされてしまっている。

ウクライナとしては拒絶するしかない、はずだが、どっこいゼレンスキーにも身内の汚職事件という弱みがあり、その足元を見られた格好だ。ウクライナ国民にとってはたまったものではないが、トランプは27日までに回答をと、圧力をかけているらしい。
 アメリカの「良識」はどうなってしまったんだろう?それともこれがアメリカの本当の姿なのか?先住民から土地も資源も無理やり奪い取ったアメリカの歴史が、アメリカの本心(ウクライナなどに関心はない)をみる手がかりなのかもしれない。