スケッチに見える「意識」

「四つ角(田植えの頃)」
「散歩道」 ―単純化されている

上のスケッチは、数日前散歩しながら撮った写真をもとにした、ほぼ実景に近い(と自分では思っているが)スケッチ。植えられたばかりの苗を、どうやって表現するか試してみたものです。下も同じ散歩コースのものですが、こちらは意図的に平面化、単純化しています。

「情報量」は上の(普通の)スケッチの方が多そうですね。描く方も、それは意識しています。四つ角の右に見えるのは何かの「お堂」だと解ってもらえるだろうか、左手のブロック塀の向こうに道は続いているのだが、そう見えているだろうか、なんて気にしながら、そう理解できるように描いているつもりなんです。

下のスケッチはちょっと違います。「実際はこうなんですよ」という説明はかなり省略気味です。それより、「この面は滲みを効かせたい」「ここは単純なブルーの方がいいかも」。などとテクニカルな意識がずっと大きい(実際にテクニカルなのは上のスケッチですが)。どちらがいいとかではなく、「意識の置き場所」が違うんです。

そうした意識の違いが、表現に現れ、表現の違いが個性を際立たせていく・・そうなんでしょうか。一見、説明は納得いきそうな気になりますが、「表現」とか「個性」とかはそんなに簡単に割り切れるものじゃない、という気がします。ただ、下のようなスケッチは、作者の「意図」がはっきりするぶん、現代の人には受け入れやすいかも知れませんね。

第11回 青いカモメの会・絵画展

やっとのことでアップロードできました。どこがどうトラブルなのか、よく分からないトラブルに見舞われながら、昨年よりはだいぶ早くできたことだけで(ビデオ製作者としては)満足しています。

メンバーもだいぶ少なくなってきて、来年以降も継続できるかどうか分かりませんが、ともかく「今できること」をちゃんとやりたいと思っています。メンバーの方々もきっと同じ思いだろうと想像します。
 新しい課題は早速始まりました。また一年、もっとのびのび描けるように、まずは気分を一新していきましょう!

スケッチの流儀

            「春日部市大沼公園から市街方向を見る」 F6
               同大沼公園でのスケッチ   ペン・水彩 SM

昨日(4月28日)油絵クラスでは、埼玉県の春日部市営大沼公園でスケッチ会をした。スケッチに合わせ、初めての昼食会も企画してくれた。お腹いっぱい、元気いっぱいでスタートしたのだったが、曇り空で、そのうち風も出てきた(曇り空自体はスケッチ向きの天気なんですが)。夕方は雨が降るかもしれないということで、残念ながら早めに終了ということになった。3枚描いたが、そのうちの2枚です。前日が「藤まつり」だったということで、藤もそれなりに咲いていました。

スケッチでは(必ずしもスケッチに限らないが)、その場で「何が自分の眼を惹いたのか」その魅力を描くことがポイントです。何にも面白いものがないなあ、とか言いながら漠然と描いてはいけないんです。もしそういうものが感じられなければ、あわてて描かずにその辺をぶらぶらする方がいい。そうすると何となく何かが向こうからアピールしてくる。その、面白いところだけピックアップするようにすると、いいスケッチになるように感じます。

下のスケッチ。実際には目の前に工事中のフェンスがふさがっていて、奥のグラウンドも手前の道も、背を伸ばしてもよく見えなかった。「フェンスが無ければこう見えるはず」という想像。奥の建物も取り立てて魅力というほどのものはない。でも、手前の木(大きな柳と種類の異なる他の木々)が風になびいて、葉擦れの音がしゅうしゅうと聞こえている。その(少し寒々とした)感じがポイントかなあと思ったわけ。
 だから、建物もことさら正確に描く必要もなく、木々も細かく説明する必要もなく、グラウンドや手前の道も半分想像で足りる。けれど、全体として「木々の間を抜ける風」を描くには、梢の高さや柳の揺れる角度の方が大事だと思う。それがわたし流のスケッチのやり方。