晨春会展はじまる

晨春会 ’25 展会場(2025.06.10)
斎藤由加「猫の芽」アルミ鋳金

晨春会(しんしゅんかい)展が始まりました。今年は星野、瀬川両氏が体調不良のため退会し、また、高橋千代子氏が逝去されました。一抹の寂しさを伴った展覧会になります。高橋氏には謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

そのかわり、元気いっぱいの彫刻・斎藤由加氏が新しくメンバーとして参加してくださいました。嬉しい限りです。晨春会展も今年で38年目を迎えます。最初は「5回続ければいい」と始めた展覧会が好評で、(メンバーも皆若かったし)勢いだけで20回まで突っ走ってしまったような気がします。20回を越え、これからどうするかをやっと考える段階になってから、またそろそろ20年。あっという間です。世代交代ももう一段スピードアップする必要があるかも知れません。

陳列終了後のメンバーの話題の中心は「腰痛」などの健康・病気に関すること。皆さんほぼ全員が本人か家族のどなたかにそういった問題を抱える年齢です。もちろんわたしも例外ではありません。そういったもろもろが作品に反映されるのも生きていればこそ。そこがAIで作る作品との違いでしょう。どうぞ皆様、実作品でご覧ください。

晨春会 ’25 展明日から

       「羽化」F100 テンペラ
「明日(あした)」F100  テンペラ

明日(6月10日)から「晨春会(しんしゅんかい) ’25 展」が15日(日)まで開催されます。上の2点を出品します。第一回から数えて38年目?かな。その間にずいぶんいろんな試みをこの場で発表、研究してきました。やっぱり人の眼に触れるというか、冷静に他人の絵と並べて見る「場」は必要ですね。

何十年も絵を描いてきて思うことは、わたしはただ自然を眺めながら、一人で自由に空を飛びたかった、そしてたぶんそこから見る風景を描きたかったんだなあということ。半分くらいはそうやって生きてきたようにも、そうでなかったようにも今は感じています。

能天気な絵

               「アジサイのイメージ」   アキーラ

とりあえず、アジサイはこれでいったん目途打ち。真剣で神経質な絵も現代を反映しているかのようで心を捉えるが、描くのも見るのも少し辛い時がある。そんな時、色で遊ぶだけのような、こんな能天気な絵が硬くなった心をほぐしてくれるような気がする。

世界は両面だ。必ずといっていいほど、良い面と暗い面を持っている。「平和のための戦争」なんてバカバカしい言葉だが、現実を見るととても笑えない。畑にするために木を切り、草を焼く国があるかと思えば、乾燥と土の流出を防ぐために木を植え、草を増やそうとする地域もある。人間だって、一つの命を長らえるためには他の多くの命を奪わなければ生きていけない。一つの論理だけで世界は成り立っているわけではない。

美しいもの。それは力(パワー)や論理ではないからこそ大事。