風しだい

「グライダー日和」  水彩

グライダーはいったん飛び立てば、ある意味風次第ともいえる飛行機です。枯葉のように風まかせではなく、ちゃんとコントロールします。自然の風でサーフィンしているような感じでしょうか。

スマートでナチュラルでナイーブ。自然体な感じがカッコイイですね。無理やり、言葉的に人間に当てはめると「風来坊」とでも言えるんでしょうか、でもこちらはちっともカッコよく感じません。

人は自力で飛ぶことに憧れてきました。エンジンを発明し、その推力で短い翼でも飛べるようになり、もっと早く、もっと長く飛ぶことが目標になりました。そして、とうとう戦闘機を作りました。

グライダーもそれなりの規模で戦争に使われた例はあります。でも、結局その風来坊性が、グライダーを主役にはしませんでした。人間も、風来坊では(たぶん)戦争やあらゆる競争というものに勝てないでしょう。カッコ悪くても、それがいいところだとわたしは思うのですが。

「大哺乳類展3」を観て

哺乳類の大行進です
レプリカとは違う迫力、ち密さは本物ならでは
修学旅行生たちも大勢見に来ていた

昨日(6/6)上野の国立科学博物館で「大哺乳類展3」を観てきました。展示が凄~いイ!圧倒されるような量と密度。とても一日では見切れませんが、体力的な問題もあり、2時間ほどで切り上げ、買ってきた図録(2500円)を見ています。図録の写真もきれいで内容も最新、値段分以上はあると思います。

修学旅行生たちも大勢見ていました。わたし自身がそうだったけれど、ド田舎の中学生なんかでは、こういう展覧会があること自体、想像できないんですよね。だから、いろいろ不要論のある「修学旅行」も、地域差を考慮すれば必ずしも無意味とも言えない気はしますね。

実は、昨日は(やや義理絡みですが)東京都美術館と国立新美術館での3つの美術展を回って帰る予定でした。帰宅に便利な路線を考えて、先に上野の都美術館へ。デ・キリコ展の出口に「大哺乳類展」のチラシ。開催することは前から知っていましたが、あまりに前すぎてもう忘れていたんです。日にちを見ると今月16日まで。なんてラッキー(^-^)な日、というわけで観ることができました。たまには外へ出かけてみるもんですね。結局この日は5つの展覧会を観、13000歩も歩いてしまいました。

最初に書きましたが、展示内容がすごい。標本の数だけでもケタ違い。間違いなく数年に一度しか企画できないレベルです。館内は子供連れ多いですが、中年以上の自然科学ファンも、カメラ抱えて大勢来ていました。写真OKなので、話のタネに出かけてみてはどうでしょうか。自然科学にそれほど興味ない人にもオススメです。わたしも、先日100数十年ぶりに特定されたことで話題の、ニホンオオカミを写してきましたよ(^○^) 。16日で終わりですから急いでね。

能力

「デンドロビウム」 水彩

最近いろんな能力なくなったなー、とか口癖のように話し、書いたりするようになった。実際、そう感じるようになったからだが、実は人間の能力なんて、そう簡単には比較したりできないものらしい。

人間と他の動物との能力差ももちろん単純比較などできない。「霊長類」などと自らを勝手に最上位に評価して威張っているが、比べる項目自体、人間目線でしかない。人間から見て比較しやすいところしか、人間には見えていない。その人間の中でも、特定の能力、たとえば学習能力(この言い方もあいまいだが)、運動能力、etc,etc.ひところ流行った、○○力なんてのもその類だ。だから、本当はわたしもそう落ち込む必要なんかないはずなのだが。

海辺に棲む、ゴカイという、せいぜい十数センチほどの生き物がいる。磯にいるムカデと思えばイメージは近い。捕まえて釣り餌にするのだが、このゴカイに、血が出るほど噛まれたことがある。
 驚いて口の部分を見ると、小さくても立派な牙がある。だから、“捕まえたら直ちにハサミで頭を切り落とせ” という、かすかに覚えていた教えの意味を、その時初めて了解した。しかもコイツをじっと掴んでいることもできない。どんなに強く握っても、まるで鋼鉄で出来たスブリングかコイルのような感じで、グイグイ指を押しのけ、指のあいだから抜け出してくる。岩にびっしり生えたイガイ(ムール貝によく似た小型の貝)の隙間?に簡単に潜り込んで行けるくらいだから、人間が指を閉じる力など問題にしないのだ。

こんなすごい能力を、人間的に評価しても何の意味もない。人間は走ったり、泳いだりできるから、ついチーターと比べたり、イルカと比べたりするが、たとえばゴカイのような恐るべき能力などに、人間の想像力の方が追いつかない。イカだのタコだのが、体表面の色素を広げたり縮めたりして、身体の色を変えるのは多くの人が知っているが、それを人間の尺度で評価する意味は同じくゼロ。ただただ、スゲーというしかない。地球はそんな生き物で溢れているのだ。
 だから、わたしたち老人というイキモノもそう卑下しなくてもいいのかもしれない。もしかしたら、ボケだって、視点を変えれば、立派に獲得された能力なのかもしれないではないか。社会的弱者などと親切を装った、体のいい強制退去を目論む、企業、政策目線からの一面的な評価に甘んじる必要など、ないのかも知れないね。