錦秋・華厳の滝

「錦秋・華厳の滝」水彩 F4、コットン紙

昨日載せるはずだったブログ用の水彩。夜の11時少し前からブログを書き始めましたが、どうにも眠く、キーボードは間違って打つし、考えも集中できないので、終わらないまま寝てしまいました。

スケッチは、だいぶ昔、まだ子どもが小学生のころ、日光に連れて行った時の写真をもとに描いたものです。滝は右上から中央下に向かって落ちています。川が滝口のあたりを上からくねくねと曲がってきて、黒い岩のところから落ちていきます。一見すると左から右へ落ちているかのようにも見えますが、そうではありません。

紅葉の風景は至る所で見られますが、描くとなると意外に難しいものだと思いました。こんなふうに全山紅葉という場合、やたらめったら赤や黄色を塗りたくるだけになりがちです。手前の紅葉とずっと奥の木々の紅葉とが同じ色なので距離感も薄いし、それぞれの木や葉は小さいので、一本ずつ、一枚ずつ描くわけにもいかないからです。

ここでは木や葉を描き分けることはサッサと諦め、微妙な明るさの差(手前は紙の白さを残し、奥は緑と赤の重なりを多くする)と、視覚的な密度感(遠くは小さく混み入っていて、手前は広く大きい)とで、空間を表現するようにしてみましたが、どうでしょうか。
 秋だけでなく、最近はどこへ出かけるのも億劫になってしまいした。寒いのもスケッチも、好きは好きなのですが、道具やらなにやら考えると面倒になってしまいます。でも、できるだけ、美味しい空気を吸えるところに行きたいと思いますね。

団地の夕陽(試作)

「団地の夕陽」試作 この絵はウインクすると、よく見えます

銀座でのグループ展、「風土に生きる・第10回展」を昨日(2023.10.28)終了しました。

このグループ展はこの後も続くことになりましたが、わたし自身はこの10回展を以て、(すでに公表しているように)離脱することにしました。それは自分自身の考え方によるもので、展覧会やメンバーに対する不満があったわけではありません。むしろ、10年間良い勉強をさせて頂き、感謝以外にありません。

「夕陽」試作です。(一昨日の、未完状態よりつまらなくなってしまいましたが)この段階においても、いくつも技術的な問題が出てきました。それは次の試作で解決されるはずですが、そこで、また新たな課題が出てくることでしょう。その繰り返しで一つの作品に結実すれば言うことはないんですけど、作品ができるにはそんな解りやすい道筋ばかりとは限りません。むしろ、そこから絵画の旅が始まるとでもいうようなものです。

ざくろ

ざくろ

水彩教室のSさんにねだって石榴(ざくろ)を何個か頂いた。食べるためではなく絵のモチーフとして。単体でも良かったのだが、枝付きの石榴はもっといい。とりあえず3枚ほど描いてみたが、今年はざくろを描きたいとずっと思っていたせいか、なかなか満足しません。

このスケッチはわざと安物の、少しバサバサしたナイロン製の筆で描いています。荒っぽさを出してみたかったからです。高級な筆はもちろん使い良いのですが、そのぶんきれいに出来過ぎてしまうマイナス面もあります。きれいな色はいいのですが、それが多少の荒さと結びつくと、より生き生きとするのではないかと思ったのです。

日本ではザクロを食べる習慣のある地域は少ないようです。実も小さく、酸味も好まれないからでしょうか。スーパーなどで売っているのを見かけたこともありません。南アジア、中東では露店でもよく見かけます。ジュースに加工したり、そのまま食べたりするようですが、何しろ日本の数倍の大きさがあるのできっと食べ応えもあるのでしょう。

ザクロは英語でPomegranate(ポングラネート)だそうです。pomeはリンゴのこと。リンゴように丸いからでしょうね。granete のもとの意味は「種子」。種の多い果実だからでしょう。ただ、今ではGranate といえば「手りゅう弾」と思う人の方が多いかもしれません。戦争の多い20世紀以降、使われる頻度はこちらの方が多いのではないでしょうか。ザクロの色はGarnet(ガーネット)、和名では柘榴石(色)です。マゼンタに近い色ですね。