下北行き

「飛ぶ男」習作

8/8 下北・東通村へ行く。昨日(8/5)、東通村の最高気温18° だという(数日前は29°まで上がったらしいが)。同じ下北でも、常にむつ市より2〜3°は低い。連日の36°、37°の関東地方から行くと、涼しいを通り越して「寒い」だろうな、きっと。

この気温、例年のこと。ようするにヤマセで日が差さない日はこうなる。夏場はヤマセのため特に霧が出て、数年に一度は極端に日照時間が少なく、冷害になる。1988年の8月は、1か月の日照時間がたったの4分 。霧が濃く、日中でもヘッドライトつけて走ったのを覚えている。北海道、襟裳岬や釧路によく似た気候。海抜0mで水芭蕉が群生するなど、湿地が多い点も共通する。

母の見舞いとお盆を兼ねて。例年なら涼しい中で制作三昧、というところだが、どうも今年はそうもいかないようだ。行くのも正直、少し気が重い。台風にぶつからないといいけど。

「危険な暑さ」体験

「飛ぶ男」習作

「熱中症」になりかかった、と一時は思ったが、どうやら「急激な脱水症状」だけだったようだ。けれど、呑気に構えていたら、熱中症になったかも知れない、という体験をした。

7/31(昨日)晴れ。気温36° 鉄板屋根の倉庫二階での作業。大作約50点、10〜15号程度の小品約120点ほどを二階から下へ降ろす。手伝いは妻ひとり。私が上から絵を下ろし、妻はそれを別の壁に立てかける役目。実質の作業時間は1時間ほどと計画。二階といってもバルコニーの様な感じで一階とは吹き抜けで繋がっている。窓は一階と二階に小さいのがひとつずつ。壁は半透明の塩ビ板を足場鉄骨で繋いである、ごく簡易な建築資材倉庫。梯子を使って降ろす。

バルコニーは太陽を受ける側にあり、そこに大作が50点ほど立てかけてある。そういう状況ではかなりの高温になるはずだから、危険チェック用に温度計を持参。たくさんの飲み物、数枚の着替え、タオル、時計。絵の多くはキャンバスだと思っていたが、実際は殆どが重いパネルで、これがかなり負担になった。

晴れて暑かったので、一回あたりの作業時間は15分以内、その度に下へ降りて水分補給、休憩15分と決めて、作業開始。50°までしかない温度計の目盛りがすぐに振り切れてしまった。まるで、燃えるような感覚に、少し危険を感じたが、日程の都合もあり、強行。

猛烈に汗をかき、降りては、水分補給の繰り返し。あと一回というところで、休憩に降り始めていた梯子から落ちてしまった。頭皮を切り、左の尻と腿の間を強く打撲した。顔じゅう血だらけになったので、妻がオロオロしたが、自分では大丈夫と分かった。

実は本当に苦しさを感じたのは、予定した作業をすべて終えたあと。クーラーの効いた場所へ戻ろうとしたら、急に息が苦しくなった。耳の聞こえ方が水の中のようで、自分の声がかすれてうまく出ない。場所が離れているので車での移動だが、運転できるか、一瞬不安になった。クーラーの部屋へ戻っても、塩分入りの冷たい飲料をがぶ飲みしても、噴き出る汗が止まらない。3枚目の着替えをする頃、やっと落ち着いてきた。そこまで2時間休んだ。

落下の理由もよく分からない。たぶんふらついたのだろう。作業を終え、身体は休んでいるのに、むしろ気分は悪化するという「急速な脱水」による体験。皆さん、汗を甘くみてはいけませんよ。暑い時は作業しないこと。する時でも、ゆっくり、ペースを落としてやる。決して一人では作業しない。ご留意下さい。

「危険な暑さ」も腰にはいい?

「飛ぶ男」         制作中

今日(7月23日/2018)、埼玉県熊谷市で5年ぶりに41.1°の観測史上全国最高気温を記録した。これまでの高知県四万十市の41.0°を、0.1°上回った。東京青梅でも40.3°(東京初の40°超え)。その他の都心、群馬、山梨、岐阜、岡山、広島など多くの都市で38°以上を記録したもようだ。

「危険な暑さ」とテレビ、ラジオで連日報道しているし、私の住んでいるところでも、毎日不要の外出や日中の運動は控え、水分補給をこまめにし、遠慮なくクーラーを使うように(電気代は本人持ち。当然)スピーカーから放送が流れる。たしかに、危険なほどの暑さを感じる、特に高温の熱帯夜には。

けれど、暑いのは「腰には良い」のである。昨年までは、夏の暑さの中、あせもに注意しながら、腰(実際にはお尻)を暖めていた。今年はそんな必要はない。お陰で腰の調子は良いのである。たぶん、今年のワインの出来はビンテージものになるだろう(関係ないが)。

ただし、この暑さでは、当然ながら「クーラー」を使わざるを得ない。が。それは腰を冷やすことになる。だから、時々はクーラーを止め、汗みずくになりながら仕事をする。クーラーがあるのに使わずに、室内で熱中症死、にはこんな事情もありそうだが、「腰のためなら死んでもいい」などと、冗談言えないほどの暑さはまだしばらく続くらしい。