私たちを消去できない

腕を組む男(習作)

怖い夢を見た。亀の子タワシのお化けみたいなやつが、円形のテーブルの上を這いまわりながら喋っている。「お前たちは私を消去することはできない」。スマホでワンクリック、消去することはできた。

何が怖い夢かというと、彼らが勝手に私たちのスマホの中に入り込むばかりか、そこから自由に現実の中に飛び出して来れることだ。スマホの中で増殖し、そこから続々と現実の中で暴れまわる。そして、実際に彼らの言うとおり、やがて消去できなくなる。

そのうえ、もっと怖いのは彼らがスマホやパソコンを熟知しているらしいこと。そこから生まれたのだから当然といえば当然。手足の数もムカデの比ではない。あの手にそれぞれスマホを持たれたら、悪魔の千手観音ではないか。さらに、生まれてくるのが亀の子タワシとは限らないとしたら。

人の夢を盗み見る /

のんきな日々もいつまで

ART(国際電気通信基礎技術研究所)と京都大学の研究者が、人が見ている脳内の画像を視覚化することにほぼ成功したと、ツイッター上で見た(論文の一部も)。

少し詳しい説明をすると、画像を見る人の脳をfMRIで測定したデータだけから、画像の視覚特徴パターンを予測するよう機械学習したデコーダーを通して画像化することができた、ということらしい。

ついに他人に夢を覗かれる時代が来た。逆にいえば、人に特定の夢を見させることも可能な技術の幕開きであり、怖い技術だと直感した。

こういう技術は、身体的なハンディのある人が、イメージするだけでアームを動かせるとか、自動車の自動運転などにいずれ使える有意義なものだ。けれど一方で、独裁者やその類の思想下にある人々とっても、最も欲しい技術に違いない。クーデターの夢を見ている人は、翌日の朝を迎えることができなくなり、そうでない人も一定の夢を強制され得る。抹殺と洗脳という、マイナス方向への計り知れない影響を考えずにはいられない。

描き初め / The first drawing in this year

チョコレート色のシクラメン 水彩8号

描き初め。今年は1月9日。かつては年越しそばの代わりに、大みそかから元旦までずっと絵を描き続けることを、個人的な行事にしていたのに、1/9だって…。

今年初めて記憶に残った夢。①腰の手術は選択肢だ ②感覚は、説得力はないが血が流れている 。

①、②とも言葉にするとつまらないが、夢の中では結構な衝撃として残った。それは一年を通してずっと意識されるから、私にとっては、初夢は案外大きな意味を持っているのかも知れない。

よし、今年はもう少し感覚的に、だらしなく描くことにしよう。人は人だ、なるべく耳と口は使わないようにしよう(ちょうどかなりの難聴になったが、これは幸いなのか?)。腰は大事にせず、ハードに行こう。壊れたら手術という選択肢がある、そんな一年に。