「嫌なものは見たくない」けど

無題 (CG)

嫌なものは(わたし自身を含め)誰でも見たくない。その方が(たぶん)精神衛生上も良いような気がする。一方で、「見たくはないが眼を背けてはいけないもの」もあるような気もして、単純に「嫌なものは見ない」と強気になるには、尻のあたりがなんとなくこそばゆい。

見ないで済むものは、個人個人の小さな癖とか趣味とか、だろうか。もし他人のそれであれば、見ても黙っているか肯定するのがよい。余計な口出しは無用である。見たくはないが見るべきもの、それは(おそらく)誰にもたくさんある。たとえば、片づけなくちゃと思いながら、さらにシッチャカメッチャカになっていく自分の部屋。もう見たくない、と思うけれど、そこに暮らしている以上見ないわけにはいかない。自分への幻滅感と、明日か明後日にはやろう、という微かな意志。ああ、暮らしていくってそういうことなんだと、どっと生活感に押しつぶされてシニタクナッテしまう。

大好きなはずの、絵を描くことだってそうなのだ。頼まれて描いているわけでもないのに、絵の具が乾き、その上に埃が被ってくると、「描かなくちゃ」となぜか罪悪感が湧いてくる。あれもあり、これもあったから描く時間がなかったんだ、と自分で自分に弁解すること自体がなんだか寂しい。「なんでこうなるの」と、でも自分を責めるのはやめよう。

「日なたの方を見る」という表現がある。何かに忙しくしていた自分は、その分何か、誰かの助けになっていたはずだ。そこを見ようよ、という視点の転換だ。いい言葉だと思う。そして埃の下から「あれっ?ここにこんないい絵があるじゃない?」と見つけ出し、「なんだ、わたしの絵じゃないか」とにんまりし、「ちょっとここはこのままじゃまずいんじゃないかな」とすこし描き足す。

蛇足だが、政治家にこんな見方をする人が「圧倒的に」多いように感じるが、それは逆だと思う。政治家が、自分や自分のやったことを「日なた」に見るようではおしまいだ。そして、それを「明るくていい人」と思うようでは、自分の脳みそが干からびかけているのでは、と少しは心配してみた方がよさそうだ。

サザエさん

わたしがマネた、サザエの剥き方

2月に入り、たて続けにサザエさんにお世話になっている。写真のとおり、文字通りの「サザエ」さん。きっかけは妻が「活サザエなのに、売れ残りで安くなっているから買ってみた。刺身作れる?」とテーブルの上に置いたこと。正直「え~っ、面倒なモノ買いやがって」とは思ったが口には出さず、とりあえず「ふ~ン」と生返事。

隙を見てこっそりYouTubeで「サザエの殻を剥く」とかを検索。「へー、こうやって取り出すのか。」動画では、割烹のご主人らしい人がササっとまずサザエの首根っこを切り取る。それから小指をいれてぐにゅぐにゅっとすると、内蔵すべてがツルっときれいに取り出せる。コツがありそうな気がしたが、見よう見まねでとりあえずやってみることにした。

首(のように見える筋肉質の部分)を切り落とすまでは割烹並み。ところが、どうやっても肩から下が出ない。これ以上はわたしの指の方がちぎれる、ということでやむなくハンマーで粉砕。まな板は凸凹になるわ、身の中に殻のちいさな破片が紛れ込んで、洗うにもそれで指を切りそうになるわで、要するに散々な目にあった。

ところが、数日後また買ってきた!「1個100円位に下がってるし、まだ元気そうだから。」え~っ!今度こそ自分の指を切り落としそう、とは思ったが、口には出さず、とりあえず「ふ~ン」と生返事。奴はコリコリした刺身の味が気にいったのだった。でも、今度はハンマーだけはやめた。小指に少女っぽい切り傷なんぞ作ったりしながら、なんとか取り出せた。

ところが、数日後また買ってきた!「半額に・・・。」口には出さず、「ふ~ン」と生返事はしたが、わたしもだんだんやり方がわかってきたのだった。小指の切り傷は恋の思い出なんかじゃないのだぜ ― 少しアルコールの入ったドングリ目でよく見ると、敵はなんとなくコロナに似ているようにも見える。「コロナに打ち勝った証」にはワサビが合う。つい「また買ってきて」と思ったが、口には出さなかった。

ダイエットのなぞ

メタボ予備軍候補者?に選定されて以来、機会あるごとにそれとなく関連情報を収集している。メタボ解消の一つのファクターが「ダイエット」で、ダイエット=体重減少とは言い切れないが、体重の増減は大きな要素である。それを摂取と消費のカロリーの関係だけに絞れれば目標が立てやすいので、ダイエットといえばカロリーのことになりやすい。

一番単純で誰にも納得できるのは、(摂取カロリー<消費カロリー)=体重減・・・① 。「摂るより消費するカロリーが多ければ体重は減る」と、極めて解りやすい。説明会でいただいた「コツコツ減らす!100kcal 食事編」というポケットブック2ページ目に、「あなたにあった食事量は?」という計算式が乗っている。

 身長×身長×(理想のBMI=22)×基礎代謝基準値(定数)×活動量(定数)=あなたの理想の体型の推定エネルギー必要量

べつに「理想的な体型」など望んでもいないが、とりあえずこれに自分の数値を代入すると
 1.69×1.69×22×21.5×1.5=2060 kcal ・・・②
となる
 BMI=22 については、わたしより皆さんの方がたぶん詳しい。21.5や1.5は、年齢や仕事内容によって異なるカロリーの消費環境を、いくつかのカテゴリーに大別したときの定数で、50-60代男性、坐っていることが多い人は、それぞれ21.5、1.5)。
 

上の①、②の式を見れば、「2060kcal の摂取カロリーを維持すれば、(いずれ)理想の体型になる」ように思える。ところで、わたしが上記の理想の体型 BMI=22 になった時、体重は62.8kg になるらしい。かつ、その時のわたしの基礎代謝量は 1343kcalで、「一日中座ったままの仕事が多い人」というカテゴリーを選択すると、わたしの一日の消費カロリー=1612kcal ・・・③ となる。

 すると、ここでひとつの矛盾が生まれてくるように思える。
 BMI 22=62.8kg=1612kcal<2060kcal

 つまり「2060kcal 維持ではBMI=22 には到達しないのではないか」ということである。特別に(こっそり、激しい)運動をしない限り、摂取カロリーが1612kcal を越えれば62.8kg は維持できなくなりそうに思える。62.8kgになりたいわけではないし、その気も全くないが、多くの人がダイエットに関心を持っているらしいのは確かだから、約1600Kcal のうちの400kcal(4分の1) という大きな差についての説明は、後日改めて報告してみたい。