テンペラ技法を併用する

                 「Russia 2026」習作   水彩、テンペラ、アクリル

教室でのデモ制作終了。今回のデモの目的は「水彩の補助的な使い方としてのテンペラ技法を体験する」。事前に分かっていたことではあるが、水彩絵の具とテンペラ絵の具との乾燥時間の違いが、ある程度慣れたひとにとっても、想定以上に大きな障害になることがわかった。用具を含め、「補助的」というにはかなり高度なテクニックが必要だった。

それにもかかわらず、それなりにある程度の結果まで漕ぎつけ得たのは素晴らしい。さすが何年もやってきただけのことはある。この技法の押しつけはしないが、ときどき忘れない程度にやってみれば、コツも分って、だんだん望みのイメージに近くなってくるはずです。

わたし自身はテンペラに慣れているので、今回のデモでやったことをもっと広げていくつもり。いわゆる「水彩画」とはひと味違うことをやってみたい。

林道の橋を描く-2

前回の「林道の橋」をアクリル絵の具であらたに描き直してみた。写真はなぜか実際とずいぶん色が違って見えるが、まあ、こんな感じ。アクリルで描くと油彩の良さをかえって想ってしまうのは、まだアクリルが使い慣れていないせいかもしれない。。

絵の具に厚みがあるのは手応え感があって、それなりに楽しい。わりと簡単に直せるから、水彩ほどの緊張感は不要だし。それかどうかは分からないが、同じモチーフ、まあ、ほぼ同構図ではあるけれど、イメージはまったく別の絵になった。それが言いたくて描いたようなものだけど。

もう一枚、こんどはもうちょっと抽象化して描いてみようと思う。

軽い絵、重い絵

「鳩と薔薇」 水彩
「林道の橋(部分)」 水彩

「鳩と薔薇」では、できるだけワンタッチで描こうとしていた。筆を重ねたとしても、なるべく大きな面積を、一回だけ重ねることが目標だった。ちょっと変わった構図だが、小さな薔薇の鉢植えに、お尻を隠すようにしているのを上から見ているという発想だ。

なぜワンタッチかといえば、前回の「林道の橋」で、かなり描写的になったことへの反動だ。別に描写的なことが悪いと言っているわけではない。前回は描き過ぎた感じもあったから、バランスを取るために二歩ぐらい引いてみた、ということ。

絵を描くことは、時には薬のように働く。描くことで気分がスッキリと軽くなったり、反対にそのことによって気持が重たくなるどころか、八つ当たり気味にものを壊してみたり、さまざまな “副作用” が現れたりすることもある。毒にもなるのだ。

重たい絵(一般的に言えば時間、体力・気力が必要な絵、としておこうか)が気分を重くするとは限らない。大きな満足感や充実感を得られることも少なくない。
 軽い絵、重い絵。それぞれに用法、用量があり、どちらにも「効能」があるようだ。症状(気分)に応じて使い分けるのが良い。