
コンビニのおにぎりを何気なく買う。とても日本的な食べ物(食べ方?)だから、つい日本人が作っているような気がしてしまうが、実は多くは外国人労働者、それもいま問題になっている「外国人技能実習生」たちが作っているのだという。
朝早くから、おにぎりは店頭に並ぶ。しかも賞味時間が細かく、時刻を過ぎれば厳しく廃棄される。ということは、真夜中にも作っているし、一日中ひっきりなしに作っているということでもある。コンビニは街の小さな個人のお弁当屋さんとは規模が違うのに、「おにぎり」「きんぴらごぼう」という庶民的な名称につられて、つい「近所のおばさん」たちが作っているように錯覚してしまう。
常に新しいおにぎりが店頭に並ぶということは、誰かが常にそれを作っているということなのに、そこになかなか考えが到達しない。便利さの中で私たちの想像力が縮み、自分の目先しか見えなくなっているのだ。
人手不足だから「技能実習生」枠を名前を変えて拡大しようという議論が今日から国会で始まった。34万人まで拡大するというが、既に国内の技能実習生は27万人に達しているという。そのかなりの部分が「外国人熟練労働者」にスライドすると考えられている。それに留学生のアルバイトも加えれば、既に枠は満杯に近い。労働者数を増やすというより、人権問題の目先を逸らすのが議論の目的ではないかと、疑うのが当たり前だと思うのだが。