大湊線 / JR Oh-minato line

野辺地駅         上り八戸方面を見る

帰る日。午前中あたふたと病院に行き、車で野辺地駅まで送ってもらう。野辺地は雪。右の杉林は日本最古の鉄道防雪林。むつ市大湊に日本海軍の一大基地があり、そこへの輸送を最優先するためだ。野辺地は小さな町だが、青森方面と下北・函館方面、八戸・東京方面への重要な分岐点。

この防雪林は夏・冬の強い西風を防ぐために作られたもので、野辺地はこの地域では特に多雪な地域。ここから大湊まで陸奥湾沿いにおよそ50km以上続く、軍事林でもあった。今でも所々に残っているが、大半は切られ、陸奥湾を眺めながら列車が走れるようになっている。そのぶん、冬場の雪による運休や不通が増えた。下北方面へ冬に鉄道旅をする人は要注意だ(夏は強風)。

大湊線は日本で唯一の、他のJRのどことも繋がらない「はぐれ路線」。雪の無人駅がたくさんある。初めての人は列車(せいぜい2両だが)の乗り方、降り方をチェックしておかないと、乗れない、降りられないことがありますよ。

銃声 / Gunshot

銃声が聞こえる

1/6 今朝は8時頃から雪が舞い始めた。帰る準備のため、洗濯。ボイラー室にハンガーで吊るして、外に出ると一発の銃声。久しぶりに聞く。

最近は、猟をする人はほとんどいないと聞いていたのでちょっと以外だったが、正月の暇つぶしには確かに最高だ。カモシカ(天然記念物)、キツネ、タヌキ、クマ、サル、野ウサギなど、増えているのではないかと地元の人は言う。

猟をする人々も全国的に高齢化しているらしい。イノシシの害がよく報道されるが、それよりも撃つ方の足腰を先に心配しなくてはいけない状況だ。各地の猟友会を再組織化し、全国の獣害地区へ派遣するようにしたらどうだろう。

もちろん交通費、宿泊費などは支給しなくてはならない。肉、毛皮(動物愛護ですっかり悪者になってしまったが)もちゃんとした流通ルートを作り、ジビエ料理のレシピ開発などもして地元にも還元する。

観光産品、伝統料理・食品、輸出産品が重要視されるのは当然だが、環境を守る意味でも環境・観光産品はそれなりの意味があるのではないか。

病院は人間の学校 / Human school

新雪が少し降ったらしい

今日も病院へ。今朝方の新雪で、風景がまた化粧し直した。車の人は顔をしかめるだろうが、ただ見るだけの私には大きなプレゼントだ。雪が降るたびにそれを貰える、有難い暇人だ。

病院に来ると、ふだん意識しない呼吸や、食物を口に入れる、噛む、飲み込む、消化、吸収、排泄という毎日誰もがしていることの有難さを再認識させられる。そして死も。病院は「人間の学校」でもある。

「有難い」ということは、感謝すべきだという意味ではない。文字通り、「有る」ことが難しい(難い)という意味だ。私たちはつい医学の進歩とか社会制度とかを過信しがちで、死についてもそのぶん何となく余裕ができたような気持ちになりやすい。

その過信を、病院は時には一層過信させ、時には簡単に打ち砕く。人間が生き物であり、動物であり、微妙なバランスを取りながらロープの上を滑る、やじろべえであることを病院は教えてくれる。