つながる風景

秋のカフェテラス  ペン・水彩

今日、ひとに勧められて、埼玉県春日部市まで中村桂子氏の講演会を聞きに行ってみた。生命の歴史と地球環境をひとつにした「生命誌」を提唱している。もともとは生物学者である中村さんの生命誌から見る環境論を、優しい口調で語られた。

すべてのことはつながっている。今ここに存在しないものも、かたちを変えて繋がっている。時空を超えて、とはよく使われる言葉だが、それは文字通り事実だということ。

「分からないことは面白い」とも中村さんは言われた。ひとはまさに一歩先の自分が分からない。わかっているようだが、無数の選択肢が目の前にある。

ショーウィンドー3

「ショーウィンドー3」   水彩

好き嫌いは別として、とりあえずこのモチーフはここでいったん中断。習作1,2の反省をいかし、構成もそれなりに納得できるものになってきたし、描きたいテーマもいちおう入れてみることができた。

描きたいテーマとは、ウィンドーに映っている山の風景。ショーウィンドーという、いかにも都会的なイメージ(わたしのような田舎っペにとっては)に、同じ都会の雑踏を映すのではなく、そこから遠く離れた地方の、自然の風景を入れること。少し歪んだ風景もいいかな。

背景の「花」は迷った末にマスキングしたが、あとからガッシュか何かで描き加える方が(手順的には)10倍くらい簡単だったと思う。

習作

「ショーウィンドー・習作2」  水彩

前々回の「ショーウィンドー」と同じモチーフでの展開。プラスに行けた面もあれば、後退してしまったところもある。

単純に言えば左 1/3 が「よく分からない」構成になっている。少し欲深すぎて、あれもこれも入れ過ぎたらしい。「習作」だからと、いろんなことを一度に試してみようとし過ぎた。やっぱりひとつひとつ課題を意識して試し、分析していかなくっちゃいけないところもある。試行錯誤の時間を端折った報いがここに現れた。絵は正直だ。

それはそれとして、こういう試みは勉強になるし、楽しいだけでなく、絵を見る感覚を鋭くもする。ただし、普通に制作するのに比べて3倍くらい時間がかかる。我慢しきれず、つい時間を短縮したくなるのだが、やはりそれにはそれなりのデメリットもある、ということも習作を通して知ることのひとつ。