にぎやかな冬 / Lively winter

冬の庭 元の写真
冬の庭 元の写真
にぎやかな冬 水彩 2014
にぎやかな冬 水彩 2014

今度風景を描けってこったが、どゆうふうにやったらええか、よう分からん。見た通りでなくて良いというても、見ないもんは描けんし。この写真、面白いとゆうとったもん、ひとつやって見せてくれんかの。

本当はできんのじゃろう?…という(不穏な)いきさつは実際にはなかったのだが、まあ、ひとつやってみるかの、ということで試作。「冬の庭」と言えば、まずありきたりの寂しいイメージ。それが写真には全然無い。庭が賑やかだ。他人の駐車スペースやその向こうの道まで、ずうずうしくも「我が家の庭です」と言わんばかりの感じも面白い。色も赤、青、黄とカラフルで楽しい。

テーマはタイトル通り「にぎやかな冬」。モチーフ(登場人物)も遊びごころで、なかば「いい加減」に増やし、「ふまじめ」な絵にする。「それが絵と云うものだ」などと、勝手に大声で叫んでみるのも良い(夜中に叫ぶのは止めた方が無難)。ナンセンスもセンスのうち、かも。

 

 

 

 

 

 

テーマが大事(応用編)/First pitch in Autumn

もとの写真
もとの写真
First pitch in autumn
First pitch in autumn

応用編。(写真)秋の野球グラウンド。ゲートの向こうで一人が作業中。柔らかな秋の陽が他に誰もいない球場にふりそそいでいる。(テーマ)=「ゆるやかな静寂」。秋の野球グラウンド。野球の練習中。第一球が投げられる(これが題名)。グラウンド上の選手たちの躍動と、それとは無関係に進む夏から秋への季節・時の流れ。

Baseball field. Softly autumn-sunlight is downpouring there and on players. “Silent leniently” is the Theme of this work.

モチーフ:①銀杏の木とその葉を透かして幹に落ちる陽、コンクリートに落ちる葉の影 ②金網とゲート ③選手たち ④観客は居ない ①~④は優先順位。

ポイント1:野球は作者の好み。サッカーでも構わないが、「若いひと」「スポーツ」などが解りやすい。何人くらい必要か、顔まで描くかどうかなどはサイズによる。F6という小品なので、ここでは「野球」と感じてもらえる程度でいいだろう(優先順位③)。観客は描かない方が楽だし、テーマ的にも合っている。選手も最小限にし、グラウンドを広く見せることで、秋という季節に移る一種の寂しさも表現できたら一石二鳥。

ポイント2:銀杏の幹と背後のコンクリート壁に落ちる葉の影は最重要ポイント(優先順位①)。ここにエネルギーの大半を注ぐ。グラウンド上の「小さな」「動」に対する「大きな」「静」の、無関係で両極的な対比の同時進行を、ドラマの監督になった気分で演出する。

ポイント3:金網とゲート。重要な脇役(優先順位②)。どの程度詳しく描くかはケースバイケースだが、最低限のリアリティが無いと作品自体に説得力が無くなる。少し頑張るところだ。

テーマが大事 / Consept first

テーマが大事
テーマが大事

結論:1)絵の中の要素は最低限に 2)色彩は控えめ、微妙な明暗が大事

1)について:100個の単語を覚えるより3個の単語の方が覚えやすい。

2)について:「理解」という点に限って考えると、オール「白黒」の方がオール・カラーより「ひと目・一瞬」で理解しやすい。

人は普通でも750万色くらいは見分けられるらしい。しかし、チャートを実際に見ると、色そのものよりそこに含まれる明暗の微妙な度合いを無意識に鋭く見分けているようだ。

けれど毎回、微妙なグレーの花が一輪だけという絵ばかりでは作者自身が満足しない。それじゃ描く楽しさがないもの。

結論微妙訂正:一枚につきテーマは一つだけ(3つあれば3枚に)。テーマを絞れば、多少色の使い過ぎがあっても大丈夫だろう。