異常な暑さ続く

「盛夏浄土」習作(前回とは別作品です)

異常な暑さが続いている。「異常」というのは、例えば北海道北見市で昨日(7月24日)最高気温39.0℃(北見市での過去最高)を記録したことなどを指す。「異常」かどうかは、ほんらいは「個人的な感覚」の問題で、例えばインド・デカン高原で40℃を越えたからといって、誰も「異常」などとは思わないが、(涼しいはずの)北海道の北見だから、そういう言いかたをしても、まあ不適切でもないだろう。

夏の暑さでよく話題に上る埼玉県熊谷市(日本最高気温41.1℃.2018、同静岡県浜松市2020)とか群馬県桐生市、岐阜県多治見市などでは、「普段より暑いなあ」くらいにしか思わないかも知れない。ちなみに北見市の過去の最高気温を見てみると38.1℃(2019)、37.2℃(2021)となっていて、第4位以下は37,1℃が2022、2023と続き、10位が37.0℃。つまり、例年なら37℃あたりまでがピークだから、それよりいきなり2℃も高かったことになる。それにしても北海道も、ついに南国化してしまったことの象徴なのだろうか。

ある錯覚

「盛夏浄土」  水彩、F6

教室でのデモンストレーション制作をしてみた。写真にしてみると、「垂直」がかなり傾いていることに気づく。あらためて作品を見ると、この写真ほどには感じないが、垂直線が右に傾いているのは確かだった。

後期印象派の画家、セザンヌの垂直線も10度くらい傾いている。それを指摘している美術書をわたしは見たことがないが、あれは感覚的な“クセ”だろうと思っている。セザンヌの “10度” は、垂直線に対して、どれも同じ角度で傾いているから、わたしは癖だろうと判断したのだが、わたしの場合、よく見るといくらか放射状に開いているように見える。つまり、これは癖ではなく、なにかの原因による「錯覚」だと思う。

水平、垂直にかけては、絶対の自信を持っていたはずの自分の感覚に、ゆらぎを感じざるを得ない。理由はなんだろう。視力が悪くなってきたためか、感覚が鈍くなってきたせいか、視野が狭くなって比較がおろそかになってきたからだろうか、等々。

おそらく一つの原因というのではなく、複合的に重なり合って「錯覚」が起きているのだろう。まあいい。こういうことが自分にも起こるようになってきたということを、自覚しておこう。

散歩道の拾い物

美しい蛾オオミズアオ(大水青)
「散歩道1」
「散歩道2」

散歩道にはいろんなものが落ちている。かつてプロ野球近鉄バファローズ(現在のオリックス・バファローズ)のエース、鈴木啓示投手が「グラウンドにはカネが落ちている」と言ったが、それと同じような意味で、落ちている。運が良ければ「健康」も拾える。

先々回、タイサンボクの実など「拾った」が、今回はオオミズアオ。それと下の2枚。オオミズアオには、もっと下の翅の長く伸びたものなど、同種の中でもバリエーションがある。サイズも、子どもの手のひらくらいあり、色ももっと大胆な、その名の通り「青」いものもある。毒はないので触っても大丈夫らしい。
 調べてみると、成虫では口が退化し、栄養を摂ることができない。幼虫の時の貯えだけで生き、一週間で命尽きると書いてある。ほとんど交尾産卵のためだけにこの姿になるのだと考えると、なぜか哀しい気持にもなる。

昨日、参議院選挙の投票日。わたしは前日に期日前投票を済ませていたが、一言にまとめると既成政党の主張と新興政党?との主張(の仕方)が有権者とずれている、ということか。どちらの主張が正しいかの判断は有権者個々のものだが、どの政党にも10年先のビジョンというものがないんだな、と。「みらい」はどうか判らないが、票は投じなかった。