エスキース

          「空港」のためのエスキース  水彩

夕方、軽い頭痛で自転車散歩が億劫。で、作品用のエスキース(構想&一種の試し描き)をした。どこかに出品するためではなく、いつか描くかもしれない(描かないかもしれない)作品の。そして、、とりあえず描いて(撮影して)みた。

エスキースしてみると、ここが制作上のポイントだというところが分る。表現上、こなれていない(迷いそうな)場所も分る。そういう場所を何度か描いてみて、ある程度納得いってから本番。それが本来のプロセスだが、多くの人はそうしない。面倒くさいから。

「空港」というモチーフは同じでも、テーマによって構想はいくつでも考えられる。「題名」と「テーマ」は違うものだが、仮に題名を「空港にて」「帰国または帰郷」「旅立ち」などとするだけでも、人物も数人だったり、若かったり、年配者だったり、ポーズも立っていたり坐ったり、こちらを向いたり背中だったりと、誰にでもそれぞれの題名ごとにいくつかの構想が想い浮かぶに違いない。その中で、自分の気分に合うもの、できるもの、やってみたいものを選ぶ。

「Air port 」のためのエスキース

          「Air port」 のためのエスキース

勝手をよく知っているものには、多少のトラブルがあっても動じず、冷静に対処できるもの。未体験であっても、知識として知っているだけでもパニックにならずに済む、というのは誰でも普通に経験していることだろう。

未体験のものにぶつかったとき、それがマイナスイメージになるか、プラスイメージを感じるかどうかは人間的にも興味を引く問題で、多くの場合「アンケート」というかたちで、わたしたちは無料で個人情報を差し出している(笑)。人間以外の動物では、多くはそのどちらにもならず、「後退する」方が多いらしい。「後退」というのは本能的に「危険を避ける行動」で、保険も病院もない野生動物の世界で「安全第一」が最優先なのは、当然過ぎるほど当然のこと。ただ、それは「好奇心が無い」という意味ではないようだ。

動物を飼ったことがある人なら分かると思うけれど、動物は人間同様に(あるいは人間以上に)好奇心に満ちている。危険を感じさせる、かたち、音、匂いなどがない限り、初見参モノにちょっかいを出す距離感は、やっぱり人間とそれほど変わらないように思える。
 ただ、基準が「食えるかどうか」だけのような爬虫類と(爬虫類ファンにはそれがまた別の観点でもあるのは理解できるが)、オウムやカラスのような(人間と共通できる)知的な遊び心のある動物とでは、それぞれの好奇心への対応の仕方が異次元である。

話が跳び過ぎてしまったが、「未体験」とか「異次元」とかを、日常の中で味わうには「旅」が一番だ(根拠もない自説だが)。「未体験」を味わうなら、まずは「Netflix」ではなく、どこでもいいけど具体的な「行先のある」現物のチケットを手に持つことだろうか。
 話を絵に戻すと、「空港」はグッドラックも「搭乗拒否」も、ウェルカムも「入国拒否」も「国外退去」もある、希望と緊張に包まれた空間だ。モデルさんはロシア人。ウクライナ戦争の直接の関係者ではないけれど、日本にいても複雑な心情が入り混じっているに違いない。ウクライナ戦争って日本からは遠いようだけど、そこと繋がっている人がわたしの眼の前にもいる。そんな表現ができたらいいな、と思う。