
久しぶりの銀座でのグループ展が終わった。一年ぶり。最近は殆ど発表しなくなった。発表できなくなったというのが実情だ。描けなくなったというのはさらに真実に近い。
描けなくなった理由はいろいろあるような気がするが、一番は何と言ってもモチーフと画材を一度に換えた変えたことだ。モチーフを換えたといっても、自分なりにはそうは思っていず、そこにたどり着いたのだと思っているが、人の目には「あ、また換えた」とかんじられるらしいが、私の場合、同じモチーフがある期間を措いて繰り返し現れてくる。これは意識してやるのではなく結果的にそうなのだ。でも、また換えたのかという言葉は、いかにも一回限りの思いつきだと言われているようで案外につらい。
モチーフは画家にとって極めて重要だ。絵はただ描けばいいのではなく、一つの思想表現でもあるから、それを現わすのにふさわしく、感覚的にも適切なものでなくてはならない。私の場合、モチーフはふさわしいのだが、表現的には今一つしっくりこない。もっと慣れることも必要だし、構成法にも問題はありそうだし、他の問題も含め、その辺がモヤモヤと解決できずにいる。
描けない、発表できない理由はそのモヤモヤ未解決のせいだ。それがある程度見通せたらパーっと十歩くらいは前に行くだろうという予感はあるけれど、未だに予感のままで数年たっている。