ショーウィンドー3

「ショーウィンドー3」   水彩

好き嫌いは別として、とりあえずこのモチーフはここでいったん中断。習作1,2の反省をいかし、構成もそれなりに納得できるものになってきたし、描きたいテーマもいちおう入れてみることができた。

描きたいテーマとは、ウィンドーに映っている山の風景。ショーウィンドーという、いかにも都会的なイメージ(わたしのような田舎っペにとっては)に、同じ都会の雑踏を映すのではなく、そこから遠く離れた地方の、自然の風景を入れること。少し歪んだ風景もいいかな。

背景の「花」は迷った末にマスキングしたが、あとからガッシュか何かで描き加える方が(手順的には)10倍くらい簡単だったと思う。

習作

「ショーウィンドー・習作2」  水彩

前々回の「ショーウィンドー」と同じモチーフでの展開。プラスに行けた面もあれば、後退してしまったところもある。

単純に言えば左 1/3 が「よく分からない」構成になっている。少し欲深すぎて、あれもこれも入れ過ぎたらしい。「習作」だからと、いろんなことを一度に試してみようとし過ぎた。やっぱりひとつひとつ課題を意識して試し、分析していかなくっちゃいけないところもある。試行錯誤の時間を端折った報いがここに現れた。絵は正直だ。

それはそれとして、こういう試みは勉強になるし、楽しいだけでなく、絵を見る感覚を鋭くもする。ただし、普通に制作するのに比べて3倍くらい時間がかかる。我慢しきれず、つい時間を短縮したくなるのだが、やはりそれにはそれなりのデメリットもある、ということも習作を通して知ることのひとつ。

作家という表現

「冒険」  水彩

久しぶりに上野の東京都美術館、乃木坂の国立新美術館を廻ってきた。腰の具合が悪いため、駆け足で、3つの団体展(上野の「一水展」、新美術館の「行動展」「新制作展」)と企画の「時代のプリズム」展(国立新美術館)を観た。

3つの団体展はそれぞれ実力の作家たちがそれぞれの力を発揮していて見ごたえがあった。時に高齢の作家が新しい境地を見せていたり、継続することの大切さも感じた。
 「継続は力なり」などと誰しも決まり文句のように言ってしまうが、制作を継続するには膨大な労力と強い意志が要る。制作のスペースを維持し、制作の気力を維持するには肉体的な健康だけでなく、旺盛な好奇心が必要なこと。そして何より、そこから生じる様々な不都合を全部引き受ける覚悟が要る。それを淡々と?毎日続けていくのが「作家という表現」。展覧会はそれを観せてもらいに行くようなものでもある。