ただいまの制作-2

降りる男(仮題)
降りる男(仮題)

赤や青、黄の線が入ってきた。白い線は一層はっきりし、道のように見えてきた。

「男」は、「見立て」であって、そのように見えれば良いというだけで、そう見えなくとも構わない。ただ、白い線が道のように見えることはこの作品にとってはもっとも重要なことのひとつ。

早い人、遅い人

浮かぶ男(部分)
浮かぶ男(部分)

一般的に、人より「早い」ことは能力の高さを示す、有力な一指標であると考えられている。覚えるのが早い、仕事が早いなどは給料とか成績とかに直結していることもあるだろう。最近では帰宅が早いのも美点の一つになっていると聞く。

私はといえば、覚えるのが「かなり遅く」なり、仕事は「うんと」遅くなり、走ることは「できなくなった」。「帰宅」だけは「非常に早く」なった。これは自分的には嬉しくない美点である。

「一般的に」言えば私はかなりダメ人間になってきていることになる。けれど、嬉しいことに、一方で「遅い」生き方を提唱する人々も増えている。無理やり短くまとめると、「遅い」生き方の方が環境に優しい、というのである。車よりは自転車を、である。

私の場合、環境に優しい生き方をことさら提唱しているのではなく、単純に早く出来ないだけ。でも、「遅い」ことが私の新しい生き方になってきたのだと考えれば、案外軌道は合いそうで、はた目ほどダメ度を気にする必要も無さそうなのである。