渡良瀬バルーンフェスティバル

風のため、イリュージョンへの参加は8~9機だけ。でも、ロマンティック

昨日、午後から栃木県渡良瀬遊水地で開催中の「渡良瀬バルーンフェスティバル」に行ってみた。車で約1時間ほど。しばらく出かけていなかった渡良瀬の縁をドライブ。以前は結構な頻度で通ったところでもあり、広々とした風景がなんだか懐かしい気がした。

日本屈指のバルーニスト(バルーンに乗る人たちをそう呼ぶらしい)たちのレースなんだそうだ。しかし、風が強く、午前中のレースは中止。現地に着いたら、午後のレースの中止も発表された。夕方18時までの「バルーン・イリュージョン」までなんにもやることなし。寒い中、ただぼんやりと広い空と枯草を眺めているだけ。でも、それだけでも十分良い。

バルーンレースはホンダがスポンサーらしく(熱気球ホンダグランプリ)、会場では車の展示会もやっていた。他にやることないから、買う気もないのに(買えない)車内を見たりして時間を過ごした。軽自動車も3台あり、そのうち電気自動車に至っては350万円以上もするという。運転席以外すべてフラットにできる(ロッドなど不要だからね)のが凄い。完全なベッド付取材車として使えるね、と言ったら「このスペースにホンダの125ccバイクがピッタリ入ります」。固定金具もある。さすがはホンダ、バイクを乗せるという発想は「らしい」というしかない。出店も出て、ケバブの美味しそうな匂い。芋焼酎も売っていて、試飲もあったようだが帰りも運転だしね。

暗くなってきて、花火も予定通り開催されるという情報が流れたのか、車がどんどん増えてくる。いくつもある大駐車場のほとんどが満杯になったのではあるまいか。冷え込んでくる中、ほとんどの人がじっとスマホをかざして撮影している。子連れの人が意外に多かったなー。
 今日(15日、日曜日)も早朝に5回のレースが予定されていたが、どうだったか。会場の栃木市藤岡町の天気予報では晴、風速5メートルということで、無事開催できたのではないかと思う。寒かったが、気分がリフレッシュできてよかった。

ワタリガニの習作

「ワタリガニ」の習作

蟹を描くのは難しい。生きているのを見ることがなかなか難しいからだ。海底の砂の上にいるという想像で描いてみるけれど、そもそも脚がこんなふうに伸びていては歩けるはずもない。腹が砂に接触しているはずもない。

蟹と言えば、わたしたちは食べ物だと思っている。けれど、もし海の中で巨大な蟹に遭遇したら、このハサミはかなり恐ろしい、凶器のように見えるに違いない。でもまあ、たぶん襲ってはこない。横にしか進めない奴が、素早く動く相手を捕まえられるのは無理だろう。蟹は海の掃除屋、死んだ魚とか貝とか、大体そんなものを食べている。もちろん獲物が動けなければ、生きていても食べるとは思うけれど。

静かだ

先日、日光へ行ってきた。思ったより紅葉が進んでおらず、紅葉狩りには来週でも間に合うかな、という感じだったが、この夏と秋の暑さ、暖かさのため紅葉などの上側の葉が枯れて脱色したものも多く見られた。例年のような鮮やかな紅葉にはならなそうだ。

中禅寺湖畔の賑やかさを離れ、光徳牧場まで足を延ばすと人影はずっとまばらになる。牧場を見下ろす高台にくると、もう誰も人はいない。ここではもう牛を飼っていないことは柵の壊れ方を見れば一目瞭然(少し下の方では数年ぶりに飼うことになったらしく、そこは柵が真新しかったが牛はいなかった)。それでも、草ぼうぼうになっていないということは、誰かが草を刈っているということだ。

牧草が芝生程度の長さに生えていて、土がそこそこに柔らかく覗いている。それと周りを取り囲む笹と木々。それらが音を吸収するのだろう。まるで防音室内にいるかのような静けさ。かさりと落ちる木の葉一枚一枚の音がよく聞こえる。落ち葉を踏む音が心地よい。

今は田舎と都会のはざまのようなところに住むことになってしまったが、そこではこんな静けさはたとえ真夜中でも味わえない。わたしは田舎者だから、毎日人の顔を見たり見られたりする生活は、正直言って少々鬱陶しい。一人でいるのは子どもの頃から好きだし、多少の不便さには慣れているつもりだ。こんなに賑やかでたくさんの植物、動物がいれば寂しいとは思わないだろうし、それらを観察したり、スケッチするだけでもきっと忙しい。なにより、都会の賑やかな騒音より、この「豪華な静けさ」を得ることの方がずっとわたしにとっては豊かなことだと感じる。都会にはわたしの本当に欲しいものがない。