ウミネコ / Seagulls

ウミネコ  Seagulls 2016
ウミネコ  Seagulls     2016

2016/8/30は台風10号が観測史上初めて東北太平洋沿岸・岩手県大船渡に上陸した日。その日、下北半島太平洋沿岸では海はかなり荒れてきていたが雨はほとんどなく、風だけが次第に強まっていた。当時風速11m/秒と出ていたが実際はもっと強く、午後になってからは一般的な成人男性(つまり自分のこと)がかなり体を前に倒さないと進めないほど強くなった。やがて暗くなり始める頃から降り始め、横殴りの暴風雨になった。

雨が降り始める直前、海を見に行った(テレビ等では盛んに「海を見に行ってはいけない」と言っていたが)。先客が何人もいた。車の中にいる人から、波打ち際をウォーキングする人まで!何枚か写真を撮ったが、波の飛沫なのか顔に痛いほど当たる。三脚は使えない。腹ばいになって、防波堤に直接カメラを押し付けて撮る。潮風でカメラが傷むなあと一瞬考える。

スケッチには30日とあるが、台風当日のスケッチは数枚だけ。これは前日か前々日にペンスケッチしたものに、当日色をつけた、その日付。外は台風で風が唸る中、ホテルの自室で15枚ほど描いた。

 

窓辺のサボテンたち

大きくなったサボテン
大きくなったサボテン

1カ月ぶりに見る、アトリエのサボテンたち。水と空気と太陽だけでこんなに成長するなんて、しくみは理解出来ても、感覚的には不思議としか言いようがない。成長する植物にも感心するが、太陽のエネルギーって凄いんだなと改めて感じる。

もちろん、太陽があるからそれに植物も私たち動物もそれに適応するしくみを作って来たわけで、現太陽ではなく、別のシステムがあれば、それに適応するシステムができるはずだから、当然といえば当然だが、「生命」というものを発生させた太陽はやはり「超」のつく特別な存在だろう。

埼玉の暑さも、そう考えれば特別な恩恵だ。日照の無い、冷涼な場所から埼玉を見ると、土地も人も豊かな所だと改めて思う。

ドツボにはまってトッピンシャン

ウミネコの群れ
ウミネコの群れ

気温19度。曇り時々雨。風は午前6時現在ほぼ無風。2016/8/28 日曜日 5時起床 下北。

ほぼ1カ月になった下北滞在。そろそろ帰り仕度。成果は120号の作品3点のみ。没頭した割には(没頭したからこそ?)不出来。1点は描くたびに悪くなり、何とかしようと集中すると、ますますドツボにはまるという悪循環。そして異常に細かくなっていくという最悪パターンで時間を遣い果たす。

目も頭も心も疲れると海を見に行く。歩いて1分が有難い。水平線を眺める。首を水平に動かすことなど都会ではあまりないが、海を見ると誰でもそうする。波を見ていると飽きない。次の波の大きさを予想するが、まず当たらない。だから最低でも30分は見てしまう。

かもめがいる。かもめはチドリの仲間だから、時々近くにチドリもいるが、大抵は同じ種類ごとに群れている。近づいても一定の距離までは逃げない。ウミネコの群れに1羽のオオセグロカモメの幼鳥が紛れ込んでいる。サイズの差がよく分かる。