この暑さを記録せよ

ゴムの木

この暑さは異常だ。だが、これが「新たな平常」への始まりかも知れない。最低気温30°の北半球。北極海がリゾートになる地球の始まり。北半球の氷の重さが無くなり、地軸の傾きがほんの少し変わり、軌道もそれに連れて微妙に変わる。

太陽が膨張する前に地球自体が太陽に飛び込むか、加速して太陽系から飛び出してしまうかも知れない。それは数億年あとのことだが、生命体にとっての異常気象としては、はるかに早く現れる。台風は365日、風速数百メートル/秒の風で、現在のビルなど全て地上から地下に潜っている。地表は厚さ10mもの、ごついコケ類に覆われ、背の低い三角形の、ガラスのピラミッドの様な建築だけがその間から顔を出している。そんな地球の平常への「異常の始まり」。誰もがそれぞれの能力、感覚で記録するのが良い。

秩父を除く埼玉県平野部では、最低気温が30°を越えるようになってきた。最高気温40°より、そちらの方が本当は危険です。これが続けば「夜の熱中症死」が増える。睡眠薬を使用の方、ご用心。知らずに安楽死してしまうかも知れません。

ウニの歯

ウニの歯をしげしげと見たことのある人は、案外少ないかも知れない。漁村に生まれた私は子どもの頃から、ウニの歯はけっこう鋭く、デカイなあ、と思ってはいたがは食べることに夢中で、よく観察はしていなかった。

ウニの歯は5枚(種類によって異なるかもしれない)、先端が中心の1点に集まるように、正五角形に配置されている。一つ一つは局面のある石灰質の鞘と、方解石のナノ粒子でできた、超硬質の鋭い刀の部分との2つでできている。この硬質の歯でコンブなどの海藻や魚などの死骸を切り取って食べるだけでなく、岩を削り、自分自身の隠れ家をも作る。

身体の割には大きな歯で、5本の歯だけでも身体全体の体積の10%以上。自動的に研ぐ構造になっていて、新しい歯がスライド式にでてくるようになっている。生半可な現代の工具では追いつかない優れもので、切削工具の研究対象になっているという。

棘は人や、それを好物とする魚以外のものにとっては防禦の武器だが、もしこの口(歯)を攻撃に使えるように進化していたら、私たちの方が食べられる側になっていたに違いない。

ウニ食べました

ウニを剥く

晨春会展終了。バタバタと会場を片付け、夏祭りの交通規制の中を、なんとか我がアトリエに作品と共に帰宅。

下北半島・白糠産の活けウニが届いていた。白糠産は下北の中でも特に美味として地元では知られているが、漁協や地元民にはそれをブランド化する能力も、何とかしようという気持もなさそうだ。味は利尻、礼文のものにとてもよく似ていて、決して引けをとらないのだが(ウニの味は、地域ごとに、磯ごとにかなり違うものです)。

今年のウニはぷっくりとよく肥えていた。農家出身の妻は「ウニはパス」。息子も食べつけないので、好みではない。喜びを分かち合えないのは少し寂しいが、日本酒、ビール、ワインで、超山盛りのウニ丼にして食べた。贅沢の極み。こういうの、本当は一人でなく、何人かでワイワイやりながら食べたい。前もって予約を受けるだけの能力が漁協に欲しいものだ。